2023 Fiscal Year Research-status Report
神経系の発達と精神疾患の発症における抑制型免疫レセプターgp49Bの機能解析
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22K20690
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
毛塚 大 東北医科薬科大学, 東北医科薬科大学, 助教 (00965600)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫抑制型レセプター / Pir-B / gp49B / 神経可塑性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス負荷および抗うつ薬であるケタミン投与後のラット海馬におけるNogoシグナル関連タンパク質の発現変化の可能性を検討した。ストレス負荷により海馬でのBDNFが有意に減少し、NgR1とPirBの発現の有意な増加を示した。これらは、亢進したNogoシグナル伝達の亢進が、ストレス経験に対する神経可塑性の減衰に寄与している可能性を示している。また、ケタミン投与により海馬のNgR1の発現が抑制した。これは、抗うつ薬治療によって神経可塑性が亢進する可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果をJournal of Psychiatric Research誌に投稿し採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中のウイルス感染やストレスは、炎症性サイトカインの産生やミクログリアの機能異常を介した胎児脳のシナプス形成異常を引き起こす。これらは統合失調症や自閉症スペクラムといった精神疾患を発症するリスク因子と考えられている。今後の研究では妊娠中の感染やストレスを模した「母体免疫活性」マウスモデルを用いてPir-Bの精神疾患発症における影響とそのメカニズムを解明することで、従来と異なる新しい治療ターゲットの創出を目指す。
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Causes of Carryover |
実験計画が推定より効率よく進行し、費用の出費が抑えられた。次年度予算は実験器具や試薬、実験動物の購入などに用いる。
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