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2022 Fiscal Year Research-status Report

高速大規模解析が可能とするアルツハイマー病モデルにおける神経脱落様式の網羅的解析

Research Project

Project/Area Number 22K20692
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

伊藤 祥吾  順天堂大学, 医学部, 特任研究員 (10966245)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywordsアルツハイマー型認知症 / 神経変性 / 部分的神経脱落 / 形態スクリーニング
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、アルツハイマー型認知症(AD)における神経脱落は、細胞体から軸索末端に至るどの部位が、どの順で、どのように変性するのか、また、その脱落様式に共通原理は存在するのかを明らかにすることである。上記目的を踏まえ、2022年度は以下の研究に取り組んだ。
(1) 神経修飾物質作動性ニューロンの軸索ならびに細胞体の免疫染色条件の確立
アセチルコリン(ACh)、ノルアドレナリン(NA)、セロトニン(5-HT)の神経修飾物質作動性ニューロンに対し、軸索マーカーと細胞体マーカーのそれぞれに対する一次抗体を検討し、高いS/N比での免疫染色が可能な抗体の組み合わせを確立した。さらに、全脳解析のため短い露光時間で軸索を明瞭に可視化することを目的に、当研究室で独自に開発された蛍光TSA法であるFT-GO法(Yamauchi et al., Sci. Rep., 12:14807)を、選定した一次抗体に対して適用し、3種全てのニューロンの軸索の染色を確認した。さらに、アミロイドβ(Aβ)および細胞核の染色も含めた多重染色が可能な実験系を確立した。
(2) 軸索定量が可能な全脳の画像取得方法の確立
全脳の画像取得方法の確立のため、5-HTニューロンに対象を絞った。5-HTニューロンは神経突起が疎な脳領域と密な脳領域が存在するため、神経突起のトレーシングを検討する上で最も適していると判断した。系の確立のため、野生型マウスの全脳から冠状断の切片を作製し、5-HTニューロンの軸索をFT-GO法により染色した。神経突起が密な脳領域においても神経突起のトレーシングが可能となるように、厚みのある切片から切片の全領域が含まれる光学切片を取得する技術を確立した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度に計画していた、全脳を対象とした軸索定量系の確立を達成できた。さらに、軸索と軸索変性部位ならびに蓄積Aβの多重染色系も確立できたため、全脳を対象としてこれらを同時に定量可能な系を確立できた。

Strategy for Future Research Activity

野生型マウスの脳切片を用いた検討により、神経突起をトレーシング可能な画像を全脳から取得する方法を確立できたため、2023年度はAβ蓄積モデルマウスを対象とした解析を進める。Aβプラーク蓄積前、Aβプラーク蓄積前期、中期、後期のモデルマウスを対象とすることで、Aβプラーク蓄積に伴う軸索変性と脱落を評価する。まずは5-HTニューロンを解析対象とし、軸索、軸索変性マーカー、Aβ、細胞核の四重染色を行う。AChおよびNAニューロンに対しても順次同様の解析を行う。また、軸索マーカーと細胞体マーカーを用いた多重染色も行い、軸索変性および脱落と、細胞体脱落との相関を解析する。

Causes of Carryover

神経修飾物質作動性ニューロンの軸索並びに細胞体の染色に必要な抗体の選定が想定よりも順調に進んだため。次年度に繰り越した助成金は、大規模な軸索定量に必要なソフトウェア等の調達に使用していく。

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Published: 2023-12-25  

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