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2022 Fiscal Year Research-status Report

外側腕傍核を切り口とした痛覚回路による炎症/抗炎症応答制御メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 22K20699
Research InstitutionKansai Medical University

Principal Investigator

松田 烈士  関西医科大学, 医学部, 研究員 (50952347)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords外側腕傍核 / 炎症制御 / in vivoカルシウムイメージング
Outline of Annual Research Achievements

痛覚は生体警告系としての役割を担い,多くの生物に共通する生体防御システムである. 痛覚神経は皮膚や臓器の免疫細胞と相互作用することで全身機能を制御しており,従来認識されていた役割よりも広義の意味での生体防御システムとしての痛覚系の役割に注目が集まっている.末梢側の痛覚神経がもつ免疫系への作用の解明が進む一方で,中枢側である脳による免疫制御メカニズムの理解は限定的である.本研究では脊髄後角表層からの投射を直接受ける外側腕傍核(LPB)に着目することで,痛覚回路による炎症応答制御の仕組みを明らかにする.
本年度は超小型顕微鏡miniscopeを用いた脳深部in vivo Ca2+イメージング法を立ち上げる,覚醒非拘束下の動物でLPBの神経活動をリアルタイムに計測することを可能とした.本手法にて,私たちの研究グループが見出した強力な抗炎症作用を有する物質である2-methylthiazoline (2-MT) を腹腔内に投与した際のLPB神経の活動を観察することで,LPB神経が特徴的な神経活動変化を示すことを見出した.LPBは分子的・機能的にヘテロな存在であり,詳細な解析を可能にするために任意の刺激で活性化する神経細胞を標識する機能的標識法の開発を行うこととした.まず,神経活動依存的プロモーターの制御下でレポータータンパク質を発現するようなアデノ随伴ウイルス(AAV)を作成した.同AAVをマウスLPBへと微量注入し,LPSや2-MT処置により活性化した神経細胞のみを標識することを試みたが,コントロールであるSaline処置群においても多くの神経細胞でレポータータンパク質の発現が確認された.LPBは痛みや恐怖刺激で強く活性化する脳領域であることから,投与の際の保定や注射に伴う痛みによって望まない標識が生じてしまったのだと推測される.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初計画では本年度中にLPBの機能的標識手法の確立を完了させる予定であった.しかし,環境的な要因,あるいは標識時のストレス等により,必要以上に多くのLPB神経が標識されたため,条件の最適化が必要であると考えている.

Strategy for Future Research Activity

AAVのtiterを最適化する.また,標識のための薬物投与時の保定によるストレスや注射時の痛み等が不要な標識の原因と思われるため,実験に使用する動物を事前にハンドリングする,あるいはイソフルラン麻酔下での標識を検討する等,薬物投与手法の検討も併せて行う.これらの条件検討により,LPB神経の機能的標識法の確立を目指す.

URL: 

Published: 2023-12-25  

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