2022 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系の形成におけるα-synucleinとtauの制御機構の解明
Project/Area Number |
22K20746
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
王 晟明 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80967406)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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Keywords | 神経発生 / 神経膠細胞 / 神経変性疾患遺伝子 / 微小管結合タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病とアルツハイマー病はゆっくりと始まり、徐々に悪化していく神経変性疾患であるが、原因は十分に解明されていない。アルファシヌクレインとタウは代表的な神経変性疾患の原因遺伝子であるが、生理的な機能は不明である。私たちは機能的なリダンダンシーの問題を解決するためにアルファシヌクレインとタウのダブルノックアウトマウスを作成し、表現型を解析した。一連の研究で、アルファシヌクレインとタウは神経幹細胞の維持に重要な役割を果たしており、ダブルノックアウトマウスは早期神経発生の促進で神経幹細胞の早期の枯渇に伴う小脳症を示すことがわかった。特に発生後期に起こるグリア形成が顕著に障害されていることを明らかにした。その結果の上で、アルファシヌクレインとタウの欠損はNotchシグナリングを抑制する、同時に神経幹細胞エレベーター運動を影響して加速するのことが明らかにした。今回、私たちはアルファシヌクレインとタウのダブルノックアウトマウスの解析を通して生理的な機能を明らかにしたが、ダブルノックアウトマウスに見られる神経形成の異常はこれまで報告されているものと全く異なったメカニズムで小脳症が発症している。したがってアルファシヌクレインとタウの関連研究は神経発生と神経変性の新たなフロンティアの開拓につながることが期待される。このことはアルファシヌクレインとタウの生理的な機能に迫る大きな手がかりを初めて提示するものである。
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