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2023 Fiscal Year Research-status Report

Identification of lipid-associated risk molecules and development of drug discovery seeds for Parkinson's disease

Research Project

Project/Area Number 22K20764
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

笠原 良太  順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任研究員 (40964127)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2025-03-31
Keywordsパーキンソン病 / α-Synuclein / ショウジョウバエ / 脂質 / ATGL / 脂肪滴 / 阻害剤
Outline of Annual Research Achievements

前年度、ハエモデルを用いた解析からトリアシルグリセロールおよびその分解酵素であるbmm (ATGL)をα-Synuclein凝集化に関与する脂質分子、脂質代謝酵素の有力候補として同定した。ハエモデルではbmmを過剰発現した個体で凝集化の亢進が見られた。
このATGLとα-Synuclein凝集化との関係性について、ヒト培養細胞を用いた試験を実施した。GFPタグ付きのα-Synucleinを一過性過剰発現出来る293細胞を用いてATGLの過剰発現および発現抑制によるα-Synuclein凝集化への影響を解析したところ、それぞれで凝集化の亢進および抑制が見られた。以上の結果から、ヒト細胞においてもATGLの活性化がα-Synuclein凝集化に関与することが考えられた。
ATGLは細胞で脂肪滴表面に局在する分子であるため、変異体における脂肪滴の動態について調査を行った。家族性パーキンソン病(PD)の原因遺伝子PLA2G6およびVPS13-KOハエの脳を用いて脂肪滴の染色を行ったところ、両者とも野生型に比してより多くの脂肪滴形成が認められた。また、特にPLA2G6-KO個体では通常脂肪滴が形成されない神経細胞の領域においても局在が認めれられた。さらに、ATGLの過剰発現が脂質組成に与える影響を調査するため質量分析を実施したところ、過剰発現個体でトリアシルグリセロールの増加がみられた。
ATGLに対する阻害剤がPDの疾患修飾薬となる可能性を探るため、培養細胞およびマウスモデルについて、薬剤投与試験を実施した。PLA2G6およびVPS13CをKOしたHeLa細胞に市販のATGL阻害剤を投与したところ、α-Synuclein凝集化の抑制傾向が見られた。また、繊維化α-Synucleinをマウス脳に注入してPDモデルマウスを作製し、ATGL阻害剤の経鼻投与を4カ月に渡って実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度の結果を踏まえ、ヒト培養細胞を用いてATGLとα-Synuclein凝集化との相互作用を明らかにすることが出来た。また、ATGLの局在オルガネラである脂肪滴がパーキンソン病モデルショウジョウバエで異常形成されていることを突き止めた。加えて、ATGLに対する阻害薬がα-Synuclein抗凝集化効果を持つことを確認できたため、パーキンソン病の疾患修飾薬ターゲットとしてATGLが有望であることを示すことができた。

Strategy for Future Research Activity

今年度は最終年度として、これまで得られた結果の検証と論文化を目指す。ATGLとα-Synuclein凝集化との相互作用についてはハエモデルおよび変異HeLa細胞を用いて、特に脂肪滴の異形成と凝集化との関係性を調査する。また、ATGL阻害剤のパーキンソン病疾患修飾薬としての可能性探索は変異HeLa細胞を用いて引き続き解析を行うと共に、マウスモデルにおいても阻害剤の効果を確認する。さらに、パーキンソン病患者由来iPS細胞でも阻害剤の効果を検証し、より効果的な阻害剤のスクリーニング系確立にも着手する。

Causes of Carryover

2023年度を最終年度として論文化の経費を申請していたが、内容をより向上させるため2024年度も引き続き当該課題を実施することとしたため、その分について未使用経費が発生した。また、マウスを用いた実験について飼育手続が難航したために実験開始が遅延し、当初予定していた匹数は使用できなかったため、この分についても未使用経費となった。今年度は、上記の論文化および実験費用として残予算を執行する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] α-シヌクレイン凝集に関与する脂質分子種および脂質代謝酵素の探索2023

    • Author(s)
      笠原良太 , 緒方洵 , 椎名健太 , 服部信孝 , 今居譲
    • Organizer
      令和 5年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • [Presentation] パーキンソン病病因タンパク質α-Synuclein凝集化への脂肪滴の関与2023

    • Author(s)
      笠原良太 , 緒方洵 , 服部信孝 , 今居譲
    • Organizer
      第46回日本分子生物学会年会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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