2023 Fiscal Year Research-status Report
孤立性先天性無脾症の新規責任遺伝子の同定と新しい疾患概念の確立
Project/Area Number |
22K20772
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅野 孝基 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (50835501)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 孤立性先天性無脾症 / 血小板減少症 / 原発性免疫不全症 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤立性先天性無脾症(以下、ICA)は生下時からの脾臓欠損を認める原発性免疫不全症である。現在までに同定されたICAの責任遺伝子は常染色体顕性のRPSA変異 のみである。本研究では、「RPSA遺伝子に異常を認めないICA患者の一部は単一遺伝性疾患で説明が可能であり、未知の疾患責任遺伝子が存在する」という仮説のもと検討を行う。予備実験にで4症例で、MPIG6B遺伝子のホモ接合性変異を同定している。ICA以外の免疫不全症コホート解析からは同遺伝子に変異を認め ず、遺伝統計学的解析からも本遺伝子変異がICAの新規責任遺伝子となると強く考えられた(p=8.2x10^-11)。また、これらの4症例はICAと巨大血小板性血小板 減少の合併という同様の表現型を呈してた。本研究では、「MPIG6B遺伝子異常による血小板減少を伴うICA」という新規疾患概念の確立を目指す。 1「ICA患者における単一遺伝子異常の同定」としては、既に4症例のICA患者において新規責任遺伝子MPIG6Bのホモ接合性変異を同定しており、遺伝統計学的証明も終了している。追加症例を得るために新規症例リクルートを行なっているが、追加症例は現時点で同定されていない。 2「同定されたMPIG6B遺伝子変異の病的意義の解明」のため機能解析実験を進めている。同定された変異はミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライス変異で あった。スプライス変異に関しては、exon-trapping assayを行い変異がスプライスに与える影響を確認した。同定された全変異について、プラスミド作成を行い現在機能解析実験進行中である。また、実際の患者細胞(血小板)を用いたたんぱく発現解析を予定し解析系の確立を行なった。今後実際の患者(海外)検体を用いた発現解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝統計学的解析、変異の解析は終了してる。 最終段階として、実際の患者検体を用いた解析を予定しているが、実際の患者が遠方在住であり(スペイン、米国、英国)検体の適切な輸送に手間取っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
追加症例を得るため、ICA+血小板減少の新規症例リクルートを行なっている。 さらには、「同定されたMPIG6B遺伝子変異の病的意義の解明」のため機能解析実験を進めている。同定された変異はミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライス変異であった。スプライス変異に関しては、exon-trapping assayを行い変異がスプライスに与える影響を確認した。同定された全変異について、プラスミド 作成を行い現在機能解析実験を試みている。さらに、実際の患者細胞(血小板)を用いたたんぱく発現解析を予定している。 患者検体を用いた解析に関して、適切な解析系の確立は終了した。一方で、患者が遠方在住(スペイン、米国、英国など)であり輸送を含めた問題に手間取っている。検体輸送の問題をクリアし、次年度からは実際の患者検体を用いた検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実際の患者検体を用いた解析のためには海外からの検体輸送が必要とされる。海外からの検体輸送に関する問題のため、研究が遅延していることから次年度使用額が生じた。輸送問題を解決し次年度に行う予定としている。
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