2022 Fiscal Year Research-status Report
妊娠関連乳癌の病態解明と治療ターゲット探索を目指した網羅的遺伝子解析
Project/Area Number |
22K20783
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 幸枝 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70964063)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
Keywords | 妊娠関連乳癌 / 遺伝子発現解析 / 体細胞変異解析 / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠関連乳癌は予後不良な疾患であるが、妊娠関連乳癌の分子学的特徴に関して、過去にいくつか報告はあるものの総じてデータは少なく、特に日本人における妊娠関連乳癌の遺伝子解析に関する報告は過去にはない。本研究の目的は網羅的遺伝子解析(遺伝子発現解析・体細胞変異解析・シングルセルRNA-seq等)を通して妊娠関連乳癌の臨床・分子学的特徴を明らかにすることである。 本年度は筑波大学附属病院、および茨城県内の共同研究施設において診断・治療が行われた妊娠関連乳癌の臨床情報・FFPE検体の収集および核酸(DNA, RNA)抽出を行なった。現時点で妊娠期乳癌10例、授乳期乳癌17例、年齢および臨床的サブタイプをmatchさせた非妊娠関連乳癌27例の検体収集が終了している。 今後、nCounterによる遺伝子発現解析、および全エクソン解析による遺伝子変異解析を行い、bulkでの解析を進めると同時に新規発生の妊娠関連乳癌についても検体の収集を進める予定である。 その後、妊娠関連乳癌の検体を用いたシングルセルRNA-seq解析または空間的トランスクリプトーム解析を実施する予定である。当初シングルセルRNA-seqを施行する予定であったが、癌組織のheterogeneityも考慮するとFFPE検体を用いた空間的トランスクリプトーム解析も検討され、現在実験環境の整備を行っている。それらのデータとbulkの解析結果をまとめ、 妊娠関連乳癌の分子学的特徴を明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和4年度は産前産後休暇および育児休業の取得のため実験を実施することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に実施する予定であった、FFPE検体からの核酸抽出、 nCounterによる遺伝子発現解析、および全エクソン解析による遺伝子変異解析を令和5年度に実施する。 その翌年度にシングルセルRNA-seqを実施予定であったが、疾患の希少性から新鮮検体を採取するハードルが高いことや、癌組織のheterogeneityも考慮するとFFPE検体を用いた空間トランスクリプトーム解析も検討される。令和5年度に条件検討並びに実験環境の整備を行い、令和6年度にシングルセルRNA-seq解析または空間的トランスクリプトーム解析を実施する。
|
Causes of Carryover |
令和4年度は産前産後休暇および育児休業の取得のため実験を実施することができなかった。 1年間の研究実施期間の延長を申請しており、令和4年度に使用しなかった予算を令和5年度に、令和5年度に使用予定だった予算を令和6年度に使用する予定である。
|