2023 Fiscal Year Annual Research Report
Search for novel biomarkers of primary vitreoretinal lymphoma by comprehensive genetic analysis
Project/Area Number |
22K20785
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉藤 康太 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20830128)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 原発性眼球内リンパ腫 / 中枢神経浸潤 / 次世代シーケンサー / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、原発性眼球内リンパ腫(PVRL)の初発時硝子体検体を用いて次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を実施し、PVRLで反復して認められる遺伝子異常を明らかにし、新たなバイオマーカーを探索することである。また、PVRLで高頻度に認められ、予後不良に関係している中枢神経領域への進展に寄与する遺伝子異常を明らかにすることである。 初年度は、2例のPVRL患者の初発時硝子体検体からDNAを抽出し全エクソンシーケンスを実施した。そして、遺伝子変異解析およびコピー数解析の解析パイプラインを構築した。さらに、その結果や全身性DLBCLや中枢神経系原発悪性リンパ腫の発症や進展に寄与していると報告されている遺伝子異常を抽出し、107遺伝子をカバーするカスタム遺伝子パネルを作成した。 本年度は、作成したカスタム遺伝子パネルを用いて、34例のPVRL患者硝子体検体でアンプリコンシーケンスを実施した。全エクソンシーケンスを実施した2例と合わせて解析を行い、PVRLで反復して異常が認められる遺伝子として、CDKN2A (69%)、MYD88 (64%)、CDKN2B (58%)、PRDM1 (47%)、PIM1 (44%)、ETV6 (42%)、CD79B (42%)、IGLL5 (42%)を同定した。また、ETV6の欠失およびPRDM1の異常(変異および欠失)をそれぞれ23%と49%認め、これらが多変量解析で中枢神経領域への進展に寄与する遺伝子異常として抽出された。さらに、これら2つの遺伝子異常を用いたPVRLの中枢神経領域への進展リスクモデルの構築に成功した。
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