2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of factors inducing ferroptosis in ovarian endometriosis by using CRISPR library
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22K20786
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田口 登和子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70926401)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 卵巣 / 子宮内膜症 / フェロトーシス / 遺伝子編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
異所性子宮内膜症は多くの女性が罹患している疾患であり、不妊症や癌化に関連があるとされるにもかかわらず、その病態は明らかではない。卵巣子宮内膜症において貯留した血液中の自由鉄から活性酸素が発生し酸化ストレスが高く、鉄イオン依存性におこる細胞死であるフェロトーシスが誘導されやすい状態であり、その状態で残存する卵巣子宮内膜症細胞においてはフェロトーシスへの抵抗性を有していると考えられる。本研究では、CRISPR libraryを利用して子宮内膜細胞の鉄過剰状態におけるフェロトーシス制御因子を同定し、同定された分子が子宮内膜症においてフェロトーシスを誘導することが可能かの検証を行う。この研究の結果により、フェロトーシスへの脆弱性を高めること自体が、卵巣子宮内膜症において残存上皮細胞の消失に至らしめ、卵巣子宮内膜症の画期的な治療法となることが期待される。 昨年度の研究では、不死化子宮内膜上皮細胞 (JCRB1545EPC-1) を用いて、まずは至適な鉄濃度については過去の文献を参照し、MTS assayで検討して検証した。その後JCRB1545EPC-1細胞において、CRISPR Brunello knockout library を導入し、鉄過剰状態と鉄非過剰状態の条件で、生存する細胞のCRISPR gRNAを比較するためにNGSに提出し、候補遺伝子を同定を試みた。 2回NGSを提出し、鉄剤投与なし群、鉄剤投与群、鉄剤投与+フェトローシス阻害剤投与群の解析結果の差から候補遺伝子が現在挙がっているが、複数回検証することで再現性を担保するため、NGSを追加で行い結果を待っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EPC-1細胞へのKockout libraryの導入効率が当初想定していたより悪く、細胞数を再検討して再実験したため。 また、候補遺伝子の抽出のためのNGSを複数回行い再現性を担保することにしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在提出しているNGS結果が返却され次第、上記候補遺伝子のフェロトーシス誘導の確認実験を行う。候補遺伝子をノックアウトすることで、フェロトーシスが誘導されることを同定する。さらにこの同定された分子を過剰発現させることでフェロトーシスへの耐性を誘導することも検証する。 また、東京医科歯科大学病院で採取された卵巣子宮内膜症と、対象症例として正常卵巣のFFPE材料(Formalin fixed paraffine embedded, ホルマリン固定パラフィン包埋材料)を用いて、ヒト検体(FFPE材料)における候補遺伝子の免疫組織学的発現確認する。今までの論文で示されている通り、実際に卵巣子宮内膜症において酸化ストレスの蓄積(4HNE,MDA)、さらにフェロトーシスのkey regulator (GPX4, FSP1)の発現も免疫染色にて確認する。
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Causes of Carryover |
研究が遅れているため、使用も遅れている。研究費の使用については、当初の計画通り行う予定である。 また、現在提出しているNGS結果は納品され次第引き落としされる予定である。
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