2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel NK cell therapy for soft tissue sarcoma
Project/Area Number |
22K20787
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大池 直樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20961676)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | NK細胞 / 滑膜肉腫 / 軟部肉腫 / 免疫療法 / HLA classI |
Outline of Annual Research Achievements |
軟部肉腫の治療成績は横ばいであり、免疫療法を含む新規治療法の確立が望まれている。申請者らは軟部肉腫において、HLA class Iが減弱、消失している症例が多く存在することを明らかにした。このためHLAの消失により活性化されるNK細胞が軟部肉腫に対する新規治療法となりうると考えて治療効果を検討するべく、本研究を行った。 まず、脂肪肉腫や滑膜肉腫の細胞株を用いてNK細胞を活性化する分子(MICA/B, ULBP1-6など)と抑制する分子 (HLA-A, B, C, HLA-E) の発現の発現についてフローサイトメトリーを用いて解析を行ない、粘液型脂肪肉腫、滑膜肉腫においてNKP44 リガンド、NK2GD リガンド、DNAM-4リガンドやMIC-A/Bの高発現を確認した。続いて、健常ボランティアから採取した末梢血をK562-mb15-41BBLを用いて刺激し、NK細胞を培養、CD3-CD56+陽性の細胞を採取した。14日間培養し、このCD3-CD56+の細胞が98%の割合となっていることを確認、NK細胞の細胞障害性実験に用いた。まず、肉腫の一種であるEwing肉腫におけるNK細胞の治療効果とGSK3Bの阻害がNK細胞の治療効果を促進することを見出し、国際学会での口演発表を行なった(CTOS 2022, Vancouver, Canada)。さらに滑膜肉腫におけるNK細胞の治療効果を検討するべく、in vitroで滑膜肉腫とNK細胞を共培養し、NK細胞の短時間、長時間での治療効果を明らかにした。さらに、CD107a mobilization assayを用いて、細胞障害性がNK細胞によるものであることを確認し、この結果は国際学会でポスター発表を行った(AACR 2024 San Diego, U.S.A.) 。今後,in vivoでNK細胞の治療効果を検討する予定としている。
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