2023 Fiscal Year Research-status Report
多因子深層学習モデルを用いた難治性尿路障害予測の検討
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22K20812
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高城 久道 東北大学, 医学系研究科, 助手 (50965697)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 難治性尿路障害 / 前立腺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
日本国内において罹患数が増加している前立腺癌の放射線治療においては、副作用として尿路障害が発生するおそれがある。特に難治性の晩期尿路障害は生活の質に大きな影響を与える深刻な問題であり、照射後10 年を超えても晩期尿路障害発症率は上昇傾向にある。さらに、近年は通院回数を大幅に削減可能な寡分割照射が重要視されているが、従来のIMRTと比較して大きな線量が投与可能であることから尿路障害を含む有害事象の増加も懸念されている。このことから、本研究では治療開始前に得られる様々な情報を一元的に用いて重篤な晩期尿路障害症例を予測する多因子深層学習モデルの構築と、それを用いた尿路障害発生に関わる因子の解明を目的とした検討を行っている。 昨年度までの解析で臨床因子4項目と一部の線量パラメータにおいて統計的に有意な関連が見られた。今年度は、線量計算アルゴリズムの違いが結果に与える影響を排除するため、線量計算アルゴリズムの統一作業を行った。全症例で線量計算が可能な最新のアルゴリズムに統一することで、特に古い症例の線量計算精度を向上させ、再度解析を実施した。その結果、線量分布データと尿路障害の発生の間に有意な関係が見られず、臨床因子の寄与が大きいことが明らかになった。これに加えて、解析対象の症例を増加させるために深層学習を用いた尿道位置推定技術の開発も行い、先行研究と同等の精度を持ちより汎用性が高い手法を開発した。この成果を日本放射線腫瘍学会第36回学術大会において発表し、英語論文を投稿中である。次年度はこれまでの解析で優位な関連が見られた因子等を用いて深層学習を用いた予測モデルの開発を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象症例やモダリティを増加させるため、尿道位置推定モデルの開発を並行して行ったため
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの検討で得られた知見を合わせて多因子深層学習モデル作成に取り組む予定である。また、尿道位置推定モデルを適用することで対象症例の増加を図る。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れにより購入を予定していたサーバー等を購入しなかったこと、および予定していた学会発表、論文投稿に必要な英文校正および投稿費用(APC費用)が発生しなかったため次年度使用が発生した。残額は2024年度に上記の使途で執行する予定である。
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