2023 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic profiling of FAP-positive cancer-associated fibroblasts and exploratory studies for personalized therapy
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22K20825
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
賀島 肇 岡山大学, 大学病院, 医員 (80965187)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | オルガノイド / 食道癌 / 転移 / がん関連線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
①食道がん患者から組織を採取しがん関連線維芽細胞(CAFs)を単離し培養樹立を行いその成功率は74%であった.検体によってCAFsマーカーの発現レベルが異なることや、活性化されているpathwayが異なることは確認されたが,包括的ゲノム解析には至らなかった. ②食道扁平上皮癌および正常食道粘膜の臨床検体を採取し、オルガノイドライブラリの作成を行った.症例数は研究期間内の1年半で約50検体におよび、樹立成功率はそれぞれ、癌オルガノイド:41%、正常食道上皮オルガノイド:78%であった.当初の目標であった研究期間内に20例程度という目標を大きく上回った. ③多くのオルガノイド検体を樹立したが、もともと樹立成功率が高くないことや、樹立後も十分量の細胞数を維持しつつ継代することが困難な事情もあり、予定していた核酸を用いた各種実験、ゲノム解析は満足に行うことができなかった.しかし、オルガノイドの表現型は生検組織ごとに異なる形態となっており、発現タンパクもそれぞれのオルガノイドで異なり、生検組織の性状を反映している傾向を見出した. ④樹立されたオルガノイドの化学療法に対する効果と実際の化学療法が導入された患者プロファイルを比較し、薬剤に対するオルガノイドの反応は生検を行った患者自身の薬剤耐性を予想できる可能性が示唆されたが、今後のさらなる症例の積み重ねと解析が必要である. ⑤CAFsとオーガノイドを用いて、その相互作用や薬剤治療効果を検証する計画については,既存の化学療法や光免疫療法を用いたCAFsとオルガノイドを用いた共培養実験による標的治療に対する効果の検証を予定していたが、共培養実験モデルの確立が困難であり十分に進まなかった.
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