2023 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌EUS-FNA検体を用いたex vivo培養システム構築と新規薬剤感受性試験の確立
Project/Area Number |
22K20827
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高橋 孝輔 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60957439)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | オルガノイド培養 / CD-DST / 膵癌 / EUS-TA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では超音波内視鏡下針生検(EUS-TA)を施行する膵癌患者のEUS-TA検体や手術標本の残余検体を用いて、従来のCollagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test(CD-DST)とオルガノイド培養技術を組み合わせたex vivo培養が実現可能かどうか検証することを目的とする。本研究により実現可能性を 検証することで、化学療法を検討している切除不能膵癌に対して薬剤選択のための新規薬剤感受性試験の前段階としてのex vivo培養の確立に寄与できると考え ている。 今回、下記の2つの検討を行なった。 (1)膵癌に対して当院でEUS-TA施行20症例を対象とし、得られた検体に関してBZ-X700 (Keyence)を用いての採取組織の面積測定を行なった。また、tumor cellularityも解析した。(2) EUS-FNB検体でのDSTを実現するために、まずは手術検体およびEUS-TA検体を用いたヒト由来オルガノイドの作成技術を確立することとした。 【結果】(1) 全20症例のうち、男性8例(40%)、年齢中央値は72歳(36-83歳)であった。穿刺針は19Gが3例、22Gが13例、25Gが4例で、穿刺回数中央値は3回であった。採取した組織切片表面の面積中央値は全体で4.79 mm2 (0.73-13.83 mm2)であり、穿刺針別では19G 9.06 mm2、22G 4.85 mm2、25G 1.51 mm2であった。また、tumor cellularityは28.3% (11-74%)であった。 (2) 手術検体から得られた5mm角の腫瘍検体を処理し、マトリゲル(MatriMix(511)懸濁後に、オルガノイド培地を使用して37℃で培養した。以後は2、3日ごとに培地交換および継代培養を行なった。EUS-TAも同様にマトリゲル(MatriMix(511)懸濁後に、オルガノイド培地を使用して37℃で培養した。このマトリゲルを用いた3次元培養法により、手術検体およびEUS-TA検体のいずれにおいても膵癌細胞の長期維持、培養に成功した。
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