2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of combination therapy of chimeric antigen receptor T cells and JAK inhibitors for philadelphia chromosome-like acute lymphoblastic leukemia
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22K20832
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
末松 正也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80962985)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | CAR-T細胞療法 / JAK阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
JAK/STAT関連遺伝子異常を有するPh-like ALLに対して、JAK阻害薬とCD19 CAR-T細胞療法の併用効果を明らかにすることが本研究の目標である。 CD19 CAR-T細胞とPh-like ALL細胞株(① KOPN49:IGH-CRLF2,JAK2 R683G変異陽性、② YCUB-5:P2RY8-CRLF2,JAK2 R683I変異陽性)、③JAK変異を有さないB-ALL細胞株であるREHとの連続共培養試験を実施した。共培養試験において、JAK1/2阻害薬を添加するとCAR-T細胞の抗腫瘍効果が減弱すること、その一方でJAK2選択的阻害薬の添加ではCAR-T細胞の抗腫瘍効果が向上することを見出した。また、このJAK2選択的阻害薬によるCAR-T細胞の抗腫瘍効果の増強は、JAK変異を伴うKOPN49、YCUB-5のみならず、JAK変異のないREHにおいても認められた。これは、腫瘍細胞のJAK変異の有無に関わらず、JAK2選択的阻害薬の併用がCAR-T細胞の抗腫瘍効果を増強する可能性を示唆する結果であり、新知見が得られた。 また、JAK阻害薬の併用による腫瘍細胞のPD-L1誘導抑制効果の評価に関しては、今回検討した腫瘍細胞株(KOPN49、YCUB-5、REH)では、IFN-γ添加によるPD-L1誘導自体が認められなかったため、評価不能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD19 CAR-T細胞と腫瘍細胞(Ph-like ALL、B-ALL)との共培養実験において、JAK1/2阻害薬の併用ではCAR-T細胞の機能を損なう一方で、JAK2選択的阻害薬との併用ではCAR-T細胞の機能を向上させることを明らかにした。概ね順調に研究計画を遂行できていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
JAK2選択的阻害薬の併用により、CAR-T細胞の抗腫瘍効果が増強する機序を解明するため、トランスクリプトーム解析により、そのメカニズムを詳細に検討する。また、in vivoにおける併用効果を評価するため、免疫不全マウスにおける比較実験を予定している。
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Causes of Carryover |
本年度は、in vitroの解析のみであり、次年度使用額が生じた。次年度は、トランスクリプトーム解析や、NSGマウスを用いたin vivo実験を予定しており物品費での使用を予定している。また、積極的な国内外の学会での発表、論文発表も予定しており、旅費、その他での使用を予定している。
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