2022 Fiscal Year Research-status Report
Impact of lower airway microbiota in advanced non-small cell lung cancer patients treated PD-1/PD-L1 blocade: A Biomarker Study
Project/Area Number |
22K20839
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
竹安 優貴 関西医科大学, 医学部, 助教 (20785969)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 下気道細菌叢 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 非小細胞肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
未治療進行期非小細胞肺癌患者を対象として、16S rRNA解析による下気道細菌叢の多様性が、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測できるかどうかを検討するために、免疫チェックポイント阻害剤単剤あるいは殺細胞性抗がん剤との併用療法を予定としている未治療非小細胞肺がん患者において投与開始前に気管支肺胞洗浄液、唾液・糞便および血漿・末梢血単核細胞を採取する。現在のところ10例の集積が終了している。治療効果としては奏効割合、病勢制御割合、無増悪生存期間、全生存期間を評価し、16S rRNA解析による下気道細菌叢の多様性による違いを明らかにする。さらに細菌叢による免疫関連有害事象(特に間質性肺疾患)発生率も明らかにするため、現在集積した症例のフォローアップを行っている。本研究課題を通じて少なくとも40症例以上の症例集積を行う予定であるが、やや遅れる形ではあるが症例集積を行えている。追加で下気道細菌叢と腫瘍内PD-L1の発現、可能であれば腫瘍浸潤リンパ球との相関を明らかにするため、イメージング解析で、病理組織検体中のPD-L1などの蛋白発現と免疫担当細胞などを、免疫染色を用いて評価する。下気道細菌叢が原発巣周囲や末梢血の免疫細胞にどのような変化をもたらすかを明らかにする。フローサイトメトリー解析(FACS)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)でのタンパク質定量およびタンパク質濃度解析を行う。適宜検体を解析予定とし年内には解析を終了し、フォローアップを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
報告者は肺胞洗浄液・糞便検体およびPBMCを集積する臨床研究を、所属する関西医科大学倫理委員会で承認を得た(承認番号「2021346」)。また、学内のバイオバンクセンター運営委員会で承認を得た(承認番号「R3-012」)。症例集積はすでに気管支鏡生検検体、擦過洗浄液、血漿検体を関西医科大学バイオバンクで保管し、10例の検体を採取している。一方で、COVID-19の感染拡大の影響で当初予定していた症例集積よりも遅れをとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した検体を適宜、16S rRNA解析・フローサイトメトリー解析(FACS)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)でのタンパク質定量およびタンパク質濃度解析を行っていき、年内の解析を予定している。その後国内外での学会発表および論文化を予定している。
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Causes of Carryover |
本研究課題の大半の費用は、16S rRNA解析に費用を要する。検体はまとめて解析を行うため、2022年度の解析は行えず2023年度の解析予定としている。費用は一検体あたり約2万円が必要であり、本研究では唾液・糞便および肺胞洗浄液のそれぞれに関して16S rRNA解析を行うため、一症例あたり実質約6万円必要である。現状症例集積がやや遅れているため、次年度使用額が生じてしまった。そのため現在予定している40症例を行った際には約200万円ほどの費用が必要となるため2023年度で残りの助成金を使用できると考える。
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