2022 Fiscal Year Research-status Report
機械学習モデルと歩行動画を利用した脊髄小脳変性症患者の重症度予測
Project/Area Number |
22K20843
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江口 克紀 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (20852635)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 脳神経内科 / 深層学習 / 機械学習 / パーキンソン病 / 脊髄小脳変性症 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経疾患の診断には神経診察による症状の評価が必要であるが、神経疾患を専門としない医師にとって神経診察は必ずしも容易ではない。神経変性疾患の発症頻度は社会の高齢化に従い増加傾向にあるため、医師の経験・技能によらない客観的な神経所見評価方法の確立が求められている。本研究は、近年発展している機械学習を利用して、代表的神経疾患である脊髄商法変性症とパーキンソン病を対象に、歩行動画から疾患の重症度や鑑別が可能かどうか検証することを目的としている。本研究ではまず脊髄小脳変性症患者を対象として、その重症度の予測や他の神経疾患との区別が歩行動画から可能かどうか検証中する。
上記目的を達成するため、研究開始から機械学習モデルを学習させるデータを収集している。現在研究代表者が在籍している医療機関に通院中の脊髄小脳変性症患者の歩行動画の撮影と、Scale for the Assessment and Rating of Ataxia (SARA)の測定を行っている。また、疾患コントロールとして、パーキンソン病患者の歩行動画撮影と、重症度としてThe MDS-sponsored Revision of the Unified Parkinson's Disease Rating Scale (MDS-UPDRS)の計測も行っている。2023年4月7日までに脊髄小脳変性症患者の36人、パーキンソン病患者37人のデータを収集した。これらのデータを利用して学習した機械学習モデルは、正診率83.6%で両疾患の鑑別が可能であった。今後さらに症例数を増やして解析を試みる予定だが、現段階の解析結果を2023年6月18日~19日に開催される日本メディカルAI学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄小脳変性症患者70名のデータ収集を予定しており、初年で約半数の患者のデータを収集できた。今後も症例数を増やしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数をさらに増やして解析を継続し、機械学習モデルの性能が向上するか検証する。また、脊髄小脳変性症患者において、歩行動画からSARA点数の予測が可能かについても検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究費は少額のみ繰り越したが、2023年度分と合わせて、消耗品費として使用予定である。
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