2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of rifaximin on small intestinal microbiota and bile acid metabolism in mice with fatty liver
Project/Area Number |
22K20848
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70963221)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 小腸細菌叢 / リファキシミン / Erysipelotrichaceae / Firmicutes |
Outline of Annual Research Achievements |
リファキシミンは肝性脳症の治療に用いられる難吸収性・脂溶性の抗菌薬で、大腸の細菌叢変化が乏しいことが知られている。我々は胆汁酸が多く存在する空腸でリファキシミンの溶解性が増し、Firmicutes門(特にLactobacillaceae)を減少、Bacteroidetesを増加させるという結果を、2022年にGut Pathogensに報告した。 脂肪肝患者ではFirmicutesが増加、脂肪の代謝には大腸よりも小腸が関与していることから、リファキシミン投与が高脂肪食負荷マウスの小腸細菌叢のFirmicutesを減少させ、肝障害を改善しうるのではないかと仮説を立て、本科研費の研究を実施した。 2022年のpilot studyで脂肪食で増加すると報告されているFirmicutesのErysipelotrichaceae増加を認め、2023年はリファキシミン効果検証のための実験を行った。高脂肪食群ではErysipelotrichaceaeが回腸を中心に増加したが(42.3% vs 68.5%)、リファキシミン投与では軽度の減少に留まった(68.5% vs 55.8%)。また空腸では脂肪食投与による変化は少なかった。その他、高脂肪食で減少すると報告されているFirmicutesのTuricibacteraceaeが回腸で減少(2.4% vs 6.2%)した。 総じて回腸では高脂肪食投与による細菌叢変化が大きかったが、空腸での変化が乏しく、空腸でより効果を発揮するリファキシミンの効果が得られにくかった可能性がある。Erysipelotrichaceae、Turicibacteraceaeの消化管部位による変化の違いは興味深く、今後は消化管内の胆汁、脂肪酸との関連を解析、論文化を検討しているが、リファキシミンの効果を見るという本科研費の目的とは外れるため延長は行わなかった。
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