2022 Fiscal Year Research-status Report
胎児発育不全児の神経学的後遺症克服のための新規胎児脳機能評価法の創出
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22K20854
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
松田 淑恵 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (20964787)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 胎児発育不全 / 拡散強調画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎児発育不全とは、何らかの原因で子宮内の胎児発育が遅延または停止する状態をいう。胎児発育不全児は、胎盤機能低下によって脳が低酸素や虚血によるダメージを受けることにより死亡率や神経学的後遺症の罹患率が高いが、胎児の脳機能を評価する方法は未だ存在しない。子宮内での実施が可能な新たな胎児脳機能評価法の確立が求められており、本申請者は核磁気共鳴画像法(MRI)検査を用いることを着想した。MRI検査の拡散強調画像は水分子の拡散運動を画像化することにより、脳虚血を診断できる。また、見かけ上の拡散係数を 求めて画像化した拡散係数画像は、細胞性浮腫を定量的に評価することが可能である。 2022年度は胎仔片側頸動脈を結紮したモルモット胎仔脳虚血モデルと母獣片側子宮動脈結紮によるモルモット胎児発育不全モデルを作製した。引き続き、胎仔脳のMRI検査を実施し、胎児脳虚血を検出できるかどうかを検証する。本研究によりMRI検査を用いた新たな胎児脳機能評価方法を確立し、胎児発育不全児の神経学的後遺症を克服することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はモルモット胎仔を用いたモデル動物の作製を行った。まず、妊娠50日前後に胎仔片側頸動脈を結紮しモルモット胎仔脳虚血モデルを作製したが、片側頸動脈結紮のみでは脳虚血を生じなかった。次に、妊娠30日前後に片側子宮動脈を結紮することによりモルモット胎児発育不全モデルを作製し、妊娠60-62日に帝王切開を行った。子宮動脈結紮側の胎仔をFGR群、対側の胎仔をControl群とし評価した。FGR群ではControl群と比較して有意に仔体重の減少、仔脳重量の減少を認めた。現在3T MRI装置を用いて胎仔脳の拡散強調画像の撮影を行い、撮像条件の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
3T MRI装置において、モルモット胎仔に適したコイルの選定、撮像条件の検討を行っていく。
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