2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of an analytical model for PET-based range verification in heavy ion therapy
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22K20873
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
増田 孝充 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 物理工学部, 研究員 (20933740)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / PETイメージング / レンジ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は重粒子線照射時に体内で生成されるポジトロン放出核種のActivity分布を計算するシミュレーションモデルを開発することである。2022年度は重粒子線治療室へ供給されるヘリウム線、炭素線、酸素線、ネオン線のビームパラメータを汎用モンテカルロシミュレーションコードPHITSに実装し、モンテカルロ法に基づくシミュレーション環境を構築した。2023年度は照射野開放型のPET装置を用いてターゲット内で生成するポジトロン放出核種のActivity分布を測定する実験を重粒子線治療室にて実施した。 モノエネルギーのヘリウム線、炭素線、酸素線、ネオン線を用いて、ペンシルビーム形状、20 mm×20 mmの矩形ビーム形状、40 mm×40 mmの矩形ビーム形状の合計3種類のビーム形状の照射野を作成した。治療と同等の線量をアクリルファントムに照射し、照射終了から10分間のPET測定を実施した。測定により得られた3次元のActivity分布は全てのイオン種で3種類のビーム形状を再現した。ヘリウム線、炭素線、酸素線、ネオン線の照射によって得られたActivity分布と線量分布の終端位置を50% distal fall-offで評価したとき、その差は順に-2.0 mm、-0.1 mm、1.8 mm、16.1 mmであった。現在、実験で得られたActivity分布の時系列データの解析とモンテカルロシミュレーションで得られたActivity分布との比較を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マルチイオン治療に用いられるヘリウム線、炭素線、酸素線、ネオン線の4種類のイオンについて重粒子線治療室での照射を再現するシミュレーション環境の構築と照射野開放型のPET装置による実験データの測定を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
重粒子線治療計画装置における線量計算アルゴリズムの概念をベースにActivity分布を解析的に計算するシミュレーションモデルを開発する。解析計算の精度はモンテカルロシミュレーション及び実験データを用いて評価する。
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Causes of Carryover |
学会参加に関連した出張が当初の予定よりも少なかったため、主に次年度での旅費使用とした。
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