2023 Fiscal Year Annual Research Report
白質脳症をきたす変異型TREX1によるDNA損傷毒性誘導機序とその抑制分子の解明
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22K20882
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安藤 昭一朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10918428)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | RVCL / TREX1 / 脳小血管病 / DNA損傷 / HDR |
Outline of Annual Research Achievements |
Retinal vasculopathy with cerebral leukoencephalopathy (RVCL)ショウジョウバエモデルのラフアイ表現型を改善させた24遺伝子のgene ontology経路解析では、DNA損傷修復経路(DDR)に遺伝子クラスターを認めた。これは、RVCL疾患変異TREX1(RVCL-TREX1)の細胞毒性が、DDRの異常により引き起こされることを示唆した。 DDR障害がある場合、DNA修復の阻害への感受性が上昇し得る。そこで、PARP阻害薬であるオラパリブを野生型マウスまたはRVCLマウスモデルへ投与して、マウス胎児由来線維芽細胞(MEFs)の生存性を評価した。オラパリブ投与により、RVCL MEFsは15-20%の細胞死が、野生型MEFsでは3-6%の細胞死がもたらされた。すなわち、RVCL-TREX1がPARP阻害薬への感受性を高めることが分かった。また、RVCL MEFsでは、γH2AX染色が増加しており、DNA損傷が引き起こされていた。 DNA損傷が惹起される背景として、RVCL-TREX1が特定のDNA修復経路を阻害する可能性を考えた。そこで、homologous DNA repair(HDR)とnon-homologous end joining(NHEJ)によるDNA修復効率を測定した。結果、RVCL-TREX1発現細胞では、single-stranded template repair(SSTR)効率が低下しており、HDRの障害が示唆された。一方、NHEJ効率は上昇しており、これは、HDR欠損細胞と類似していた。以上から、RVCL-TREX1が細胞毒性をもたらす機序として、HDR効率が低下することで、DNA損傷が蓄積する可能性が示された。
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[Presentation] Venous Collagenosis in HTRA1-Related Cerebral Small Vessel Disease.2023
Author(s)
Shoichiro Ando, Rie Saito, Masahiro Uemura, Sho Kitahara, Yuya Hatano, Masaki Watanabe, Taisuke Kato, Yosuke Ito, Atchayaram Nalini, Shigeo Murayama, Akiyoshi Kakita, Hironaka Igarashi, and Osamu Onodera
Organizer
Asia Pacific Stroke Conference 2023
Int'l Joint Research