2022 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative analysis of mast cells in allergic diseases
Project/Area Number |
22K20883
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
チャングェン クオクブーン 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (30961346)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | マスト細胞 / 組織透明化 / 定量化 / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マスト細胞を可視化する最新技術を用いることで、定常状態およびアレルギー疾患時のマスト細胞数を定量化することである。本研究により、マスト細胞についての定量的な理解が進み、アレルギー疾患の形成や治療効果に対する理解が飛躍的にアップデートすることが期待される。 本年度は、蛍光タンパク質によってマスト細胞を可視化する遺伝子改変マウス(Mcpt5-TdTomatoマウス)を作成して、その皮膚組織を、最新の組織透明化技術(Nat Protc 14:3506, 2019)を使い透明化し、3次元蛍光イメージングを行い、画像解析によりマスト細胞数の定量を試みた。 Mcpt5-TdTomato マウスの皮膚組織、特に真皮中に赤色に染色される多数のマスト細胞を同定することに成功した。 現在、Mcpt5-TdTomatoマウスの皮膚組織におけるマスト細胞を定量化する方法について検討中である。定量化に成功した後、各種のアレルギー疾患モデルをMcpt5-TdTomatoマウスに導入し、皮膚組織中のマスト細胞の数や分布の変化について解析する。アレルギー疾患モデルとしては、 蕁麻疹モデルの1つであるPCA(passive cutaneous anaphylaxis)反応を使う予定である。また拘束ストレス、自発的な運動誘発(回転カゴ留置による)、低温刺激(低温室での短時間のケージ暴露)、薬剤(ステロイド塗布、ヒスタミンH1受容体拮抗剤 、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、JAK阻害剤など)による皮膚マスト細胞の数や分布の変化についても解析する。 これらの解析により、定常時の結合組織型マスト細胞の数や分布を解析するとともに、アレルギー疾患の病態時やストレス、薬剤投与時における結合組織型マスト細胞の量・空間・時間的な変化が明らかになる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題で最も難易度が高いと思われる巣テープである蛍光タンパク質によってマスト細胞を可視化する遺伝子改変マウス(Mcpt5-TdTomatoマウス)の作成と最新の組織透明化技術(Nat Protc 14:3506, 2019)と3次元蛍光イメージングを行いた皮膚マスト細胞の同定に成功したため研究は概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
各種のアレルギー疾患モデルや拘束ストレス、自発的な運動誘発、低温刺激、薬剤投与による皮膚マスト細胞の数や分布の変化についても解析する。 これらの解析により、定常時のマスト細胞数や空間分布を解析するとともに、アレルギー疾患の病態時やストレス、薬剤投与時におけるマスト細胞の量・空間・時間的な変化が明らかになる。
|
Causes of Carryover |
研究が順調に進展したため、必要なマウス匹数、細胞培養に必要な試薬の量などを節約することができた。今年度に軽減できた経費は、次年度の重要な解析のために必要な経費(マウスや試薬等)として使用する計画である。
|
Research Products
(1 results)