2023 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息とIL-22BPに着目した新規治療の開発
Project/Area Number |
22K20888
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
妹尾 賢 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (00963026)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / IL-22BP |
Outline of Annual Research Achievements |
気管支喘息の約5-10%が重症・難治性であり、喘息患者が増悪をきたすことによる社会的損失は大きい。既存の分子標的薬が無効な症例が存在するため、新規治療が求められている。IL-22BPはIL-22のおとり受容体である。3型炎症に関連するIL-22は喘息に対して保護的な作用があり、IL-22BPが喘息を悪化させる可能性が考えられる。本研究の目的は、喘息におけるIL-22BPの役割を解明し、新規治療開発につなげることである。 申請者らは、ダニ抗原で感作、曝露を行うことにより、気道に好酸球性気道炎症の出現およびメサコリン吸入による気道過敏性測定にて気道過敏性亢進を生じる喘息モデルマウスを作成した。このモデルにおいて、通常のマウス(野生型マウス)ダニ抗原感作、曝露後に、気管支肺胞洗浄液中でIL-22BPが上昇していることを明らかにした。次に、IL-22BP欠損マウスの評価を行ったところ、気道過敏性亢進が野生型マウスに比し減弱していることを明らかにした。気管支肺胞洗浄液中の好酸球数およびその他の炎症細胞数に2群間で明らかな差は見られなかった。IL-4, IL-13などの2型サイトカインも気管支肺胞洗浄液中では2群間に明らかな差を認めなかった。また、脾臓からの単核球の2型サイトカイン分泌にも2群間で差をみとめなかった。以上よりIL-22BPは気道過敏性亢進に促進的に働き、気道炎症には影響を与えないことが示唆された。
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