2023 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment for cardiorenal syndrome focusing on receptor-binding factors in macrophages
Project/Area Number |
22K20890
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 徹 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (40963442)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 肥満症 / ATRAP / M2マクロファージ / TGF-β |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「マクロファージにおけるATRAP発現調節異常が心腎連関症候群の発症・進展に関与し、マクロファージATRAP発現の制御により心腎連関症候群を克服できる」との仮説を検証するため、心腎連関モデル動物、ATRAP遺伝子改変動物およびヒト白血球検体などを用いて、心腎連関症候群におけるマクロファージでのATRAPの病態生理学的意義を解明し、ATRAPに着目した新規分子標的治療法の開発に向けた検討を行った。 野生型マウスに高脂肪食を与えて肥満にしたところ、肥満の初期段階で白血球中のATRAP発現が増加することが明らかとなった。骨髄ATRAP-KOキメラマウスを作成し、高脂肪食を与えたところ、骨髄野生型キメラマウスと比べて肥満が有意に抑制されてた。さらに、骨髄ATRAP-KOキメラマウスは骨髄野生型キメラマウスと比べて、内臓脂肪の減少、インスリン抵抗性の改善、脂肪組織の代謝環境の改善を認めた。脂肪組織をさらに詳細に調べたところ、ATRAP-KOキメラマウスの脂肪組織ではM2(CD206+)マクロファージが減少しており、関連するTGF-β経路も抑制されていた。さらに骨髄ATRAP-KOキメラマウスでの単球を調べたところ、M2マクロファージ極性の抑制に関与する遺伝子発現変化を認めており、骨髄ATRAP-KOキメラマウスでは、単球レベルでの遺伝子環境の変化が最終的に内臓脂肪の軽減などに寄与していると考えられた。本研究の結果から、免疫細胞ATRAPがM2マクロファージ-TGF-β軸を介して肥満病態の発症、進展に重要な役割を果たしており、免疫細胞ATRAPの発現制御は肥満症に対する新規治療標的となり得ることが示唆された。
|
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 当院における運動負荷右心カテーテルの取り組みについて2023
Author(s)
鈴木徹, 松村賢治, 中島理恵, 岩田究, 小村直弘, 川浦範之, 小西正紹, 岩橋徳明, 石上友章, 菅野晃靖, 日比潔
Organizer
第29回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
-
-
[Presentation] エポプロステノール投与によるACTH単独欠損症に対してトレプロスチニルへの切り替えが有効であった1例2023
Author(s)
片山響, 鈴木徹, 相澤広太郎, 宮川秀一, 峯岸慎太郎, 小村直弘, 川浦範之, 小西正紹,岩橋徳明, 石上友章, 菅野晃靖, 日比潔
Organizer
第270回日本循環器学会関東甲信越地方会