2023 Fiscal Year Research-status Report
腎炎モデルマウスを用いたmRNAワクチンによる抗原特異的免疫寛容誘導治療法の開発
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22K20912
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
郡山 弘 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60710093)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | 免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sm抗原エピトープをコードするm1ΨmRNAワクチンの投与は、腎炎モデルマウスに、Sm抗原特異的な免疫寛容を誘導すること、それに伴い腎炎抑制効果が認められることについての詳細な検討を行っている。具体的には、mRNA Synthesis System(TAKARA)を用いて3種のSm抗原エピトープをそれぞれコードするm1ΨmRNAワクチンを作成し、先行研究(Krienke C, Science, 2021; Kranz LM, Nature, 2016)と同様に、LNP作製キット(Funakoshi)を用いてLNPを調整した。そして病態モデルマウスでの実験の前に、通常のマウスでの抗体価が上昇するか等の検討を行った。また、mRNAの修飾についての新たな報告等を踏まえて改めて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
mRNAの修飾についての報告等を踏まえて改めて検討を行ったため、mRNAワクチンの再度の設計等に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き作成したmRNAワクチンの評価を進め、Pristane誘導腎炎マウスに投与し、蛋白尿の定量、腎臓の組織学的検討(HE染色およびIgG免疫複合体の傾向観察)により、腎炎の改善の程度を評価する。また脾細胞のFACSにより、Sm抗原エピトープ特異的な制御性T細胞を定量評価する。 またOVA257-264エピトープに対するm1ΨmRNAワクチンについても、Sm抗原エピトープのm1ΨmRNAワクチンと同様にマウスに投与し、腎炎部位でTFN-γ陽性あるいはIL-17A陽性のCD4陽性エフェクターT細胞、および制御性T細胞を定量し、このm1ΨmRNAワクチンが抗原分子の種類を超えて、炎症部位での免疫寛容を誘導するか否か、その程度等を評価する。
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Causes of Carryover |
研究途中で、mRNA分子種の修飾についての新たな報告等がなされ、一旦それらについての文献的考察や、あまり研究費用のかからない小規模検討での研究に多くの時間を要した。そこで予算を無駄なく有効に活用する観点から、当初2年度目に予定していた研究内容を後ろ倒して、研究期間を1年延長することとした。従って次年度使用計画としては、当初2年度目に予定していた研究内容を引き続いて実施する。
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