2022 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質恒常性維持機構に着目した頻脈誘発性心筋症の病態分子機序解明
Project/Area Number |
22K20919
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伯井 秀行 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員 (00731259)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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Keywords | 頻脈誘発性心筋症 / 心筋可塑性 / 細胞内タンパク質恒常性維持 / リバースリモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
頻脈誘発性心筋症は、高齢化に伴い罹患者が増加の一途をたどる心房細動を含めた頻拍ストレス下において左室収縮障害を伴う心不全を発症し、さらに頻脈の改善に伴いその低下した心機能が改善する心筋疾患である。本疾患の病態分子機序として、神経体液性因子やミトコンドリア機能障害などの関与がこれまでに報告されているが、発症に関わる上流の分子メカニズムは未だに明らかでない。そこで本研究の目的は、頻脈誘発性心筋症の発症に関わる分子メカニズムについて細胞内タンパク質恒常性維持機構に着目し、独自に確立した機能解析系を用いて解明することである。まず、頻脈誘発性心筋症の実験モデルを作成するために、成獣マウス心臓スライスを用いた実験系を構築した。本心臓スライスはペーシング刺激に対して収縮力を発生することが確認できた。さらに今後ペーシング環境の酸素濃度および水素イオン指数等を詳細に検討することで長期間のペーシング刺激が行うことができる可能性が示唆された。次に、本疾患モデルとして適切な頻拍刺激条件を検討するため、新生仔ラットから単離した培養心筋細胞に対して持続的に電気刺激ペーシングを加えるシステムを用いた実験環境を確立した。ペーシング後の心筋細胞における肥大マーカーなど種々の遺伝子群発現の変化を指標として、本システムのペーシング時間・頻度・パルス幅や細胞培地条件について最適化を行った。最後に、生体内における頻脈刺激によるタンパク質恒常性維持機構に関わる分子群の変化を確認するために、ビーグル犬の右室心尖部にペースメーカーを挿入し最大6週間のペーシング刺激を行った心臓組織サンプルにおける遺伝子プロファイルの変化を経時的に評価した。
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[Journal Article] Refractory Ventricular Arrhythmias in a Patient With Dilated Cardiomyopathy Caused by a Nonsense Mutation in BAG52022
Author(s)
Hideyuki Hakui, Hidetaka Kioka, Fusako Sera, Kei Nakamoto, Kentaro Ozu, Yuki Kuramoto, Yohei Miyashita, Tomohito Ohtani, Shungo Hikoso, Yoshihiro Asano, Yasushi Sakata
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Journal Title
Circulation Journal.
Volume: 86
Pages: 2043
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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