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2022 Fiscal Year Research-status Report

マージナルドナー肝の体外灌流コンディショニングに必須の基礎技術の開発

Research Project

Project/Area Number 22K20933
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

柴田 賢吾  北海道大学, 大学病院, 医員 (90962853)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords虚血再灌流障害 / 脂肪肝 / 機械灌流 / 水素ガス
Outline of Annual Research Achievements

脂肪肝に対する虚血再灌流障害を軽減するために、水素ガスを使用した機械灌流を行うことを目的に実験計画を立てた。水素ガスは、過酸化脂質の生成を抑制することで、細胞の酸化ストレスを軽減する効果があることが知られており、肝臓における虚血再灌流障害にも有効であることが報告されている。実験では、脂肪肝モデルを作成したラットを用いて、群分けされた灌流液を使用して機械灌流を行い、再灌流前後の採血の値の変化や肝組織の変化を評価することをまず行う。この実験の意義は、脂肪肝における虚血再灌流障害の発生メカニズムに関する理解を深めることにあり、また、過去の研究で水素ガスを使用することで虚血再灌流障害を軽減できることが示唆されたことから、今後の臨床応用に向けた有望な治療法の開発につながる可能性がある。さらに、本研究の結果は、肝臓以外の臓器における虚血再灌流障害に対する治療法の開発にも貢献することが期待される。この実験の重要性は、脂肪肝という現代病の治療法に向けた新たな知見を提供したことにあります。現在、脂肪肝は、アルコールや食生活の乱れなどが原因とされ、脂肪肝は、症状があまり現れないことが多く、放置されることが多いため、重症化しやすく、肝硬変や肝臓がんなどの合併症を引き起こす可能性がある。そのため、早期発見・早期治療が求められている。この実験は、脂肪肝に対する虚血再灌流障害のメカニズムに関する理解を深め、新たな治療法の開発につながる可能性があるとともに、肝臓以外の臓器における虚血再灌流障害に対する治療法の開発にも貢献することが期待される。これにより、健康な生活を送るために不可欠な肝臓機能を保つことができるよう、医療の進歩につながることが期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

この実験において、概ね順調に進んでいたと考えられる。いくつかの段階で予期せぬ問題が発生し、計画よりも時間を要した。まず、実験の準備段階で、必要な装置や試薬の手配に時間を要した。特に、特殊な装置や高度な技術が必要な場合には、慣れるまでに多くの時間を要した。また、試薬や装置の調達において、コロナによって供給が不足していた場合には、手配に時間がかかるだけでなく、実験を行うために必要な条件を整えるのに余分な時間がかかることもあった。実験の進行中にも、予期せぬ問題が発生した。例えば、試料の収集や処理において、安定しないこともあった。試験管や装置の故障が発生した場合には、実験が一時的に中断されることがあった。さらに、データの解析においても、予期せぬ問題が発生した。例えば、データの処理に必要なソフトウェアが動作が重く解析に時間を要したことがあった。
以上のように、この実験において、予期せぬ問題が発生したことにより、計画よりも時間を要することがあった。しかし、問題が発生した場合には、解決策を検討し、対処することで、概ね実験を順調に進めることができた。脂肪肝作成、虚血再灌流モデルに関しては安定してきたため、論文作成に向けてデータ解析を続けている。

Strategy for Future Research Activity

脂肪肝モデルを作成したラットを用いて、虚血再灌流障害の発生メカニズムを解析する。ラットを4群に分け、水素ガスを含んだ灌流液を用いて、機械灌流を行う。灌流液の組成は、群1:水素ガス非含有灌流液、群2:水素ガス含有灌流液、群3:水素ガス非含有灌流液+血管拡張薬の亜硝酸エステル(NO)投与、群4:水素ガス含有灌流液+NO投与とする。水素ガスの投与量は、適宜調整する。機械灌流は、肝臓に対して1時間の虚血を誘導した後に30分の再灌流を行うことで行うがそのほかの時間でも検討を行う。再灌流前および再灌流後の血清中のアミノトランスフェラーゼ(AST)およびアルカリフォスファターゼ(ALP)の値を測定することで、虚血再灌流障害の発生状況を評価する。また、肝組織をヘモトキシリン・エオジン染色で観察し、肝細胞の損傷や炎症の程度を評価する。水素ガスを含んだ灌流液を使用した群2および群4では、再灌流前後のASTおよびALPの値が有意に低いことが予想される。また、肝組織を観察したところ、群2および群4では肝細胞の損傷や炎症が少なく、正常な肝細胞が保たれていることを期待する。これに対し、水素ガスを含まない灌流液を使用した群1および群3では、ASTおよびALPの値が有意に高く、肝組織においても肝細胞の損傷や炎症が認められる可能性がありその確認を行う。

Causes of Carryover

現在までに行った実験に必要な材料や機器がすでに揃っていた。実験計画の見直しや最適化により、材料や機器の使用量を抑えることができたため、材料や機器の購入や使用量を後回しにすることができた。
次年度の計画としてはデータ解析のためのソフトウェアやコンピューターの購入、実験結果の発表や論文執筆に必要な出版費や旅費、実験の追加実施や拡張に必要な材料や機器の購入がある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Lysophosphatidylinositol (16:0) as a possible cause of ischemia reperfusion injury.2022

    • Author(s)
      柴田賢吾
    • Organizer
      TSS 2022
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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