2022 Fiscal Year Research-status Report
肺移植後primary graft dysfunctionに対する新回路Combined VA-VPA ECMO法の開発
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22K20939
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 慧 岡山大学, 大学病院, 助教 (00947947)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 肺移植 / 早期移植肺機能不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺移植医療において,脳死ドナーの少ない本邦においては拡大基準ドナーからの臓器を有効活用が求められている.その実現には早期移植肺機能不全(PGD)発症のリスクに対する治療戦略の確立が求められる. その1手段として,移植肺再還流直後に治療介入する『Combined VA-VPA ECMO法』を考案しその有効性を検討することとした.これは体外式膜型人工肺(ECMO)の技術を応用し,従来のVA ECMOとVV ECMOの「良いとこ取り」をした『新規治療回路』である.右房-上行大動脈(VA)回路では人工呼吸器補助を抑えて肺の圧障害,容量障害も抑えつつ,心,肺への血流負荷を減らして自然改善を促す一方,右房-主肺動脈(VPA)回路では肺に酸素化血を流すことで肺血管の拡張を促し,肺胞腔の静水圧を積極的に下げる.この方法によりVA ECMOとVV ECMO双方の移植肺保護効果を同時に得ることで,PGDからのより確実な回復を期待している.ECMO技術を応用したより積極的なPGD治療戦略を開発し,拡大基準ドナーの安全な臓器活用によって,提供されたドナー肺を一例たりとも無駄にせず,肺移植の恩恵を受ける患者数が最大化されることを目指している. 現在はCombined VA-VPA ECMOの技術的確立(導入・離脱手順,等)とプロトコルの至適条件設定(至適流量比率,至適治療時間,等)にむけて,ブタ(25-30kg,ランドレース種)を用いた全身麻酔下手術を実施している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
引き続きブタを用いた全身麻酔下手術を実施しており,Combined VA-VPA ECMOの技術的確立(導入・離脱手順,等)とプロトコルの至適条件設定(至適流量比率,至適治療時間,等)を検索中である.研究代表者の他研究から,PGD肺に対するコントロールされた還流が良好な改善をもたらす可能性が示唆されており,Combined VA-VPA ECMOによる厳密な還流コントロールができれば,十分な治療効果が期待できると考える.上記ECMO回路の確立に必要な,ブタ実験における肺動脈へのカニュレーション技術に関しては既に確立できている.
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Strategy for Future Research Activity |
ブタを用いた全身麻酔下手術を追加し,Combined VA-VPA ECMOの技術的確立(導入・離脱手順,等)とプロトコルの至適条件設定(至適流量比率,至適治療時間,等)を進める. その上で,従来法とCombined VA-VPA ECMOでの治療効果の比較検討を行うため,ドナー肺に虚血侵襲を加えた左片肺移植後PGDモデルを作成し,治療介入を行わない対照群,治療群としてVA ECMO群,VV ECMO群,Combined VA-VPA ECMO群を設け,治療後の移植肺機能,虚血再灌流障害の程度を以上の4群で比較する予定である.
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Causes of Carryover |
現在ブタを用いた全身麻酔下手術を実施しているが,未だにCombined VA-VPA ECMOの技術的確立(導入・離脱手順,等)とプロトコルの至適条件設定(至適流量比率,至適治療時間,等)には至っておらず,従来法とCombined VA-VPA ECMOでの治療効果の比較検討を次年度実施することとなり、必要な費用に充当するため。
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