2022 Fiscal Year Research-status Report
メカニカルストレス応答調整を介した効率的な腱細胞誘導法の確立
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22K20940
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中道 亮 岡山大学, 大学病院, 医員 (20803167)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 幹細胞 / 機械刺激応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
幹細胞の腱分化における機械刺激の影響について、腱細胞における機械応答性カルシウムイオンチャネルレセプターであるPIEZO1に注目をして解析を行った。幹細胞として、マウス肢芽由来の間葉系幹細胞であるC3H10T1/2細胞を用いた。まずC3H10T1/2 細胞に複数の機械刺激条件を与えたところ、高刺激 (high CTS)でRunx2の発現のピークが、低刺激(low CTS)でScxの発現のピークが生じることを見出した。この結果は細胞周囲環境から受ける刺激強度が間葉系幹細胞の骨分化、腱分化に影響を与える可能性を示唆している。さらに、C3H10T1/2 細胞にPIEZO1の活性調整を、アゴニストであるYoda1を用い、さらに細胞を硬度の異なるゲル上で培養しながらこの調整を行ったところ、同濃度の刺激ではゲルの硬度が低いほど腱関連遺伝子が、硬度が高いほど骨関連遺伝子の発現が上昇する傾向にあることが確認された。これらの結果は、幹細胞が周囲環境から受ける機械刺激の違いにより分化方向が調整される可能性が示された。現在は、ST-140-10 mechanical stretch system(STREX)を用いたメカニカルストレス下三次元培養システムで伸展培養を行うための最適なゲルの濃度条件を検討している。2年次はこのメカニカルストレス下三次元培養システムの組織生成を試み、その性状の評価を行うとともに医療ツールとしての可能性を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定する3つの課題のうち、1つは概ね終了し2つ目に現在進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記載のように、2年次は3次元培養での組織生成を試み、その性状の評価を行うとともに、医療ツールとしての可能性を検討していく。
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Causes of Carryover |
1年次は2次元培養を中心とした検討を行ったため当初の予定よりも支出が少なくなった。2年次は3次元培養を中心とした検討を行う予定で、培養で扱うスケールが大きくなることから支出が増えることが見込まれる。
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