2023 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症におけるC10orf10/DEPPの機能解析と治療応用
Project/Area Number |
22K20944
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑原 正成 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50965241)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / C10orf10/DEPP / オートファジー / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症(OA)は筋骨格系領域における代表的な加齢性疾患であり、高齢社会における我々の健康寿命に大きな悪影響を与えているが、未だにその疾患修飾治療薬は開発されていない。そこで本研究は、C10orf10/Decidual protein induced by progesterone(DEPP)という因子に着目し、その詳細な分子メカニズムを検証し、未だに存在しないOA疾患修飾治療薬の開発を推し進めることを目的としている。 今年度はOAの病態形成において、どの病期にC10orf10/DEPPの関与するか?という問いを解決すべく、 さまざまな変形性関節症病期のヒトおよびマウス軟骨組織を用いて、C10orf10/DEPPの免疫染色を行ったが、病期特異的な発現結果は得られなかった。先行研究にてC10orf10/DEPPは、飢餓や酸化ストレス、低酸素刺激にて一過性に数時間で発現し、オートファジーを誘導する結果が得られており、これが組織免疫染色で一定の結果が得られなかった原因と考えられた。 治療応用を進めていくために、C10orf10/DEPPを誘導する化合物検索をおこなった。文献より検索し、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるsertralineが候補として挙がり、軟骨細胞へ1-10μM sertralineを24時間刺激すると、コントロールと比較し、C10orf10/DEPP遺伝子発現量が2倍以上亢進することが明らかとなった。現在はsertralineがOA疾患修飾治療薬になりうるか、マウスOAモデルに関節注射を行い、その治療効果を検証している。
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