2022 Fiscal Year Research-status Report
Does SLFN11 stratify medulloblastomas to determine the appropriate treatment intensity?
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22K20953
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中田 聡 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10817191)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 髄芽腫 / SLFN11 |
Outline of Annual Research Achievements |
髄芽腫におけるSLFN11発現量と予後との相関をみるため、過去の大規模臨床研究におけるRNA-seqデータ, 長期予後データを解析した. RNA-seqデータからSLFN11の発現量を抽出し, 予後との相関をKaplan-Meier法を用いて検証した。手術症例612例のデータ解析ではSLFN11高発現の症例で, 5年生存率95%と非常に良好な予後を示す一方, SLFN11低発現の症例では70%に留まった. さらにRNA-seqデータから21000遺伝子のうち最も生命予後と相関する遺伝子のランク付けを行ったところ、SLFN11は151位に位置することが判明した。 また髄芽腫細胞株にコンストラクトを導入しSLFN11を強制発現させ, シスプラチンなど複数のDNA傷害薬への感受性の変化を評価した. SLFN11発現に伴いDNA傷害薬投与時のDNAダメージマーカーの上昇、アポトーシスの促進を認めた。この髄芽腫細胞株の同所性異種移植を行ったマウスモデルにおいて, SLFN11発現がDNA傷害薬への反応を改善し, 予後を延長, 腫瘍増大を抑制することが示された. さらにSLFN11低発現の髄芽腫細胞株D425に対し、HDAC inhibitorであるRG2833を使用し、in vitroにおいてSLFN11のアップレギュレーションが見られること、DNA傷害薬Cisplatin及びSN38と治療シナジー効果が見られることが示された。しかしながらこのアップレギュレーションの効果はコンストラクトを用いた場合と比べると弱く、in vivoにおける生存期間増加には寄与しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載した通りの実験を実行できている。SLFN11蛋白の評価で、自施設の検体では免疫染色がうまくいっておらず、発現量とMRI画像による治療反応性の相関を示すことはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き免疫染色のプロトコールの改良を行う。既に病理学教室や他大学の研究室からプロトコールを提供して頂いており、これを基に改良する。 またSLFN11の薬理学的アップレギュレーションのため、他のHDAC inhibitor、DNMT阻害薬、EZH2阻害薬、ATR/Chk1阻害薬の効果を検証する。有望な薬剤につき、in vivoでも検討を行い、血液脳関門の通過の有無についても検討する。
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Causes of Carryover |
2年間の研究計画として本助成金を申請し、過年度において半額を消費している。翌年度は残る半額を使用予定である。 まず髄芽腫におけるSLFN11発現量と治療反応性の相関を個々の症例レベルで、より詳細に検討するため、免疫染色のプロトコールの改良を行う。既に病理学教室や他大学の研究室からプロトコールを提供して頂いており、これを基に改良する。 またSLFN11の薬理学的アップレギュレーションのため、他のHDAC inhibitor、DNMT阻害薬、EZH2阻害薬、ATR/Chk1阻害薬の効果を検証する。有望な薬剤につき、in vivoでも検討を行い、血液脳関門の通過の有無についても検討する。
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