2023 Fiscal Year Annual Research Report
頚動脈狭窄症の発症・進行に対するタンパクのシトルリン化が与える影響に関する研究
Project/Area Number |
22K20956
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青山 二郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30964712)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 好中球 / シトルリン化 / 動脈硬化 / 頸動脈狭窄症 |
Outline of Annual Research Achievements |
症候性群8例、無症候性群12例において、患者背景(年齢、性別、白血球数、好中球の割合、Cre、HbA1c、LDL-chol、TG、BNP、狭窄率(NASCET)、既往歴)に有意な差は認めなかった。同様に安定プラーク群8例、不安定プラーク群12例において、患者背景に有意な差は認めなかった。ELISAで血中PAD4濃度を測定したところ、症候性群、無症候性群、健常者群の3群で有意差はなく(0.74±0.78, 1.04±1.58, 0.90±0.60(ng/ml))、安定プラーク群、不安定プラーク群、健常者群の3群でも有意差はなかった(1.10±1.59, 0.69±0.86, 0.90±0.60(ng/ml))。同様に血中PDIA1濃度を測定したが上記の群間でそれぞれ有意差は認めなかった(0.60±0.25, 0.58±0.47, 0.50±0.27(ng/ml)、0.48±0.21, 0.68±0.46, 0.50±0.27(ng/ml))。次に頸動脈プラーク標本を作成しHE染色、並びにMPO、Histone H3、PAD4の免疫染色を行った。HE染色ではプラーク標本はいずれも大部分は炎症細胞を認めず紡錘形の線維芽細胞や石灰化が主体の病変であった。炎症細胞が集積している部分においても好中球はほとんど認めず単球・マクロファージが主体であった。免疫染色では症候性群の1視野あたりのMPO、Histone H3、PAD陽性細胞数は1.5±1.3, 2.8±1.7, 2.1±2.4(個)、無症候性群ではそれぞれ1.6±2.5,2.5±2.2, 2.2±3.2(個)で有意差は認めなかった。同様に安定プラーク群と不安定プラーク群でも上記の陽性細胞数はそれぞれ1.5±2.1, 2.5±3.5, 3±4.2、1.5±2.1, 2.6±1.8, 2.0±2.7(個)であり有意差は認めなかった。
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