2022 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiological analysis of the necrotic boundary to predict collapse in osteonecrosis of the femoral head
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22K20963
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇都宮 健 九州大学, 大学病院, 助教 (20963151)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 特発性大腿骨頭壊死症 / 修復反応 / 圧潰 |
Outline of Annual Research Achievements |
発性大腿骨頭壊死症 (ONFH)において圧潰は患者の予後を規定する重要なイベントである。圧潰発生には骨硬化性修復反応を伴う壊死境界域における応力集中が重要であるが、修復反応が生じる機序は不詳である。今回、圧潰後ONFH摘出骨頭を用い、骨頭全体を用いた前額断スライスを作成し、HE染色ならびにマイクロCTによる骨形態計測を行うことで、修復域における添加骨形成および壊死域を確認している。現在、各種免疫蛍光染色を行っている。さらに壊死境界域における骨組織中のたんぱく質抽出にも着手した。また圧潰後ONFHにおいて関節面不整と圧潰幅との関連を調査し、これらが有意に関連することが明らかとなった。この成果は肉眼的に認識できるほどの明らかな圧潰がない状態であっても関節面不整が生じていることを示しており、関節温存手術を検討するうえで重要な知見であり、整形外科の代表的な研究系雑誌である「Journal of Orthopaedic Research」誌に掲載された。 並行して、臨床上重要である圧潰進行に寄与する因子を同定するために臨床・画像解析を行った。まず圧潰後ONFHで1年以上保存的に経過観察可能であった48症例55関節を対象に単純X線ラウエンシュタイン像を用い1mm以上の圧潰進行について検討した。結果、臼蓋荷重面の2/3以上外側に前方壊死境界域が存在した場合、有意に1mm以上の圧潰進行を認めた。本成果は骨頭の圧潰進行機序を解明するうえで重要な見解であり、整形外科の代表的な臨床系雑誌である「Journal of Orthopaedic Science誌」に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当科は特発性大腿骨頭壊死症に対し国内で有数の症例を誇る施設であり、十分な症例数を確保できていることから骨頭の採取が順調に進んでいるため、本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も研究計画書に準じ、研究を進めていく方針である。現在、各種免疫蛍光染色を行っているので、解析を進める予定である。さらに壊死境界域における骨組織中のたんぱく質抽出にも着手しており、ELISAを用いることで定量評価を行う予定としている。また特発性大腿骨頭壊死症と類似した骨頭圧潰を来す鑑別すべき疾患である大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折においても同様の検討を行なう予定である。さらに臨床画像評価ではMRIを用いた追加検討も行っている。
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Causes of Carryover |
今年度は既存の物品や試薬を用い研究を進めることができたため、当初の予想よりも研究費を温存することが可能であったため、次年度額が生じたものである。この次年度額は、病理標本の評価に用いる免疫蛍光染色や、たんぱく質の定量評価に用いる予定としている。
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Research Products
(5 results)