2022 Fiscal Year Research-status Report
Electron microscopic analysis of macular hole after stem cell-derived retinal organoid transplantation
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22K20968
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
秋葉 龍太朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70963049)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 黄斑円孔 / 網膜再生 / ES細胞 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄斑円孔は網膜中心部が障害され視力低下をきたす疾患であり、手術によって治療困難な症例が問題となっている。今回の研究で我々はニホンザルの黄斑円孔モデルに対し、ヒトES細胞由来の網膜組織を移植し、円孔閉鎖が可能であるかを検討する。さらに移植後の網膜組織をSerial Blockface Scanning Electron Microscopy (SBFSEM)で撮影し、得られた画像から網膜の神経細胞を三次元再構築およびシナプス解析を行うことで、移植した細胞とホストの網膜がシナプス形成を行い、網膜回路の修復が可能であるかを検討する。 研究計画1年目の時点では、共同研究先である神戸アイセンター研究所においてヒトES細胞から分化誘導した網膜組織を作成した。さらに、全身麻酔下の硝子体手術でES細胞由来網膜組織をニホンザルの黄斑円孔眼の黄斑円孔中心部に移植することに成功した。そして移植後半年の時点まで、継続して網膜組織が生着し、黄斑円孔が閉鎖していることを光干渉断層計(OCT)を用いて非侵襲的に確認することに成功した。移植半年後に全身麻酔下で眼球摘出および網膜サンプルの固定を行った。移植後の網膜組織はUniversity of Washingtonに送付し、電子顕微鏡撮影のためのオスミウム染色や脱水、レジンブロック包埋などの前処理を行った上、厚切り切片の光学顕微鏡像を用いて撮影部位を決定し、移植片とホスト網膜黄斑円孔境界部にしぼったサンプルのトリミングを行い、SBFSEM画像撮影に成功した。今後は撮影後の画像を千葉大学において解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、黄斑円孔を有するマカクザルへのES細胞由来網膜組織の移植、そして組織固定、サンプルの電子顕微鏡撮影まで問題なく行うことができており、おおむね研究計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
電子顕微鏡画像からは、ホスト網膜および移植片に含まれる網膜神経細胞のトレーシングを行い、細胞種類の特定を行う。また、それぞれの細胞がどのような形態をとっているかを三次元再構築して確認する。また、移植片とホスト網膜の間にシナプス形成がみられるかを解析する。またホスト網膜の網膜回路にリモデリングが見られるか、などを解析していく予定である。申請者は過去にマカクザルの中心窩網膜の電子顕微鏡データを取得しており、そちらを正常コントロールとして比較することで、各種解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
あらかじめ計上していたよりワークステーションなどの必要物品をより安価に調達することができたため。次年度使用額は、電子顕微鏡解析に必要な備品やワークステーションの関連部品などを購入するために使用する。
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