2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模コホートデータを用いた口腔と認知機能の関係のメカニズム解明と因果効果の推定
Project/Area Number |
22K20984
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木内 桜 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (30963061)
|
Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
Keywords | 口腔 / コホート研究 / 因果推論 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究1.東北メディカル・メガバンク機構の大規模コホートデータを用いて口腔状態の悪化から認知症発症・認知機能低下に至るメカニズムについて、生物学的な経路、社会学的な経路も含めてどの経路の影響が大きいのかを定量化すること、研究2.口腔状況の変化に関する情報を含む長期追跡コホート調査のデータを使用し、口腔状態の悪化から認知症発症までの因果効果について推定することを目的に研究を行っている。 今年度は、研究1に関して、関連する研究のレビューや、東北メディカル・メガバンク機構のデータ申請を進めた。また、口腔と認知症の関連を調査する前段階として、メタボロームなどの生体代謝物質と認知機能との関係について解析を行った。 また、研究2について、当初本研究で使用する予定であった日本老年学的評価研究の調査データとは異なり、共同研究を行っているシンガポールの高齢者を対象としたPanel on Health and Ageing of Singaporean Elderly (PHASE) studyのデータを使用し、口腔の健康状態が認知機能に与える影響についてLongitudinal modified treatment policy approachを適応し、解析を行った。その結果、仮想的な歯科喪失の予防介入は、より良い認知機能状態と関連していることが明らかになり、歯の喪失予防が高齢者の認知機能の維持に有用である可能性が示された。本研究についてはすでに論文化を実施し、国際誌にアクセプトされた。 最終年度は、研究1に関して、解析を進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1に関しては、東北メディカル・メガバンク機構のデータの利用申請に遅れが生じている。研究2に関しては、すでに分析・論文化を行い国際誌にアクセプトされた。また、関連する研究について、国際歯科研究学会(IADR)での発表を予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究1に関して、東北メディカル・メガバンク機構のデータの申請を進める。また同時に行っている認知機能と生体情報(メタボローム等)に関する解析を進める。
|
Causes of Carryover |
前年度実施した調査費用の支払いの一部処理が完了していない状態である。また、今年度は調査データの使用管理料や、調査データのクリーニング作業、データセットの構築作業が発生するため、こちらについて支出を行う予定である。
|