2023 Fiscal Year Research-status Report
HMGB1が破骨細胞の分化制御を介して歯周炎の進行に及ぼす免疫学的影響の解明
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22K20992
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平井 杏奈 岡山大学, 大学病院, 医員 (60966547)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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Keywords | HMGB1 / マクロファージ / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
HMGB1(High Mobility Group Box1)は,全ての真核生物に存在する非ヒストン性の核内タンパク質の一つである。組織の損傷や壊死によって細胞外へ放出され,炎症性サイトカインの発現を増強する炎症性メディエーターとなる。 歯周炎は,歯周病原細菌に起因して過度な炎症反応が起こることで歯周組織の破壊が進行する慢性炎症性疾患である。我々は,過去にHMGB1中和抗体を歯周炎 モデルマウスに投与すると,歯周組織の炎症と歯槽骨の吸収が抑制されることを明らかにした。しかし,詳細なメカニズムには不明な点が未だ多い。 本申請書では,歯周炎の病態におけるHMGB1の詳細な免疫学的役割を明らかにすることを目的とし,HMGB1が破骨細胞の分化に及ぼす影響を検討する。 まずは,HMGB1中和抗体腹腔内投与マウス,および,HMGB1コンディショナルノックアウトマウスから骨髄由来単球細胞を採取し,破骨細胞に分化する前の段階である,マクロファージに分化することを確認した。 それぞれのマクロファージの分化度をフローサイトメトリで解析したところ,コントロール群(野生型群,C57BL6雄マウスから採取した骨髄由来単球細胞)と比較して,M1マクロファージへ分化した細胞の割合は少ないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
HMGB1コンディショナルノックアウトマウスの繁殖がうまくいかず,系統が途絶えそうになっているため,再度繁殖を試みている途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,HMGB1コンディショナルノックアウトマウスの繁殖を再度試みる。 それと同時に,コントロール群(野生型群),HMGB1中和抗体投与マウス群,およびHMGB1コンディショナルノックアウトマウス群から採取した骨髄由来単球細胞を破骨細胞に分化させ,計画通り実験を行う
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Causes of Carryover |
ノックアウトマウスの作製がうまく進まない(交配の状況が悪く難航している)ため,実験に大幅に遅れが発生しているため,再度繁殖,ノックアウトマウスの作製を試みる予定である。
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