2023 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞における糖質検知とその分化制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K20998
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
安田 和真 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (10966641)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨組織の恒常性は,骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスによって保たれている.歯に矯正力が加わると歯周組織には圧迫側と牽引側という力学的環境が異なる2つの領域が形成される.適切な矯正力が作用すると圧迫側では骨吸収,牽引側では骨形成が行われ,歯が歯槽骨の中を移動する.味覚受容体タイプ1(T1R)ファミリー分子T1R1,T1R2,T1R3は口腔の味蕾だけでなく,さまざまな組織に発現し局所のエネルギーや栄養状態のモニタリングに関与する.従来,舌を中心とした口腔内に発現し味感覚の受容を司るだけと思われていた味覚受容体が,破骨細胞にも発現し,その機能を明らかにすることができればその価値は歯科領域だけにとどまらない. そこで本研究においては,骨吸収を担う破骨細胞に着目し、骨代謝におけるT1R3の機能の検討を行ってきた.4週齢雄マウス骨髄細胞とRAW 264.7細胞を用いた.破骨細胞誘導因子RANKLの添加により破骨細胞分化を誘導した.マウス骨髄細胞由来破骨細胞においてT1R3の発現量は分化に伴い上昇したが,T1R1,T1R2の発現はほとんど認めなかった.一方,RAW 264.7細胞ではT1Rファミリー分子の発現はなかった.そこでT1R3を過剰発現させたRAW 264.7細胞を作製したところ,T1R3過剰発現細胞では破骨細胞分化が促進した.T1R3の過剰発現による破骨細胞分化の促進はグルコースの添加により増強した.グルコースの代わりに人工甘味料のシクラミン酸ナトリウムを加えてもグルコース添加と同様の結果が得られた.今年度,T1R3のノックアウトマウスに高脂肪・高糖食を与えた.すると野生型の比べノックアウトでは高骨量を示したが,このフェノタイプには性差があることがわかった.
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