2022 Fiscal Year Research-status Report
骨リモデリング微小環境老化細胞におけるcGAS-STING経路の活性化
Project/Area Number |
22K21004
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
服部 洋一 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50836103)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 骨リモデリング / 老化 / SASP / cGAS-STING |
Outline of Annual Research Achievements |
骨組織は、骨リモデリングという破骨細胞と骨芽細胞による連関した制御システムによって、その恒常性を保っている。この骨恒常性が破綻すると、骨粗鬆症などの骨代謝性疾患の発症につながり、病態解明、治療のためにも破綻させる因子の特定は急務である。老化も骨恒常性を破綻させる因子であり、今回老化細胞に生じるSASPという現象に着目した。老化細胞が長期残存し炎症性サイトカインなどを分泌する現象をSASPと呼び、このSASP因子が骨細胞、破骨細胞などに作用して骨恒常性を破綻させているのではないかと考えている。申請者らは破骨前駆細胞用細胞においてSASP因子の発現を確認し、分化能に影響が及んだことを確認している。SASPを制御するためにも、SASP誘導経路の特定は必要である。SASPの誘導にcGAS-STING経路の活性化が寄与しているという報告もあり、今回、破骨前駆細胞様細胞であるRAW264.7細胞を用いて、cGAS-STING経路の活性化を評価した。 RAW264.7を5、10、20代継代した細胞を用いて比較検討を行った。老化マーカー(SA-β-gal、p53、p-H2AX)の発現およびテロメア長を測定し、RAW264.7が複製老化していることを確認した。これらの細胞を用いて、cGASおよびSTINGのタンパク発現をウエスタンブロット法にて評価した。継代数の増加につれて、cGAS、STINGともに発現の増強を認めた。また、定量的な評価を行うため、cGAS-STING経路にて活性化されるcGAMPの発現量をELISAキットにて測定した。継代数の増加につれて、cGAMPの発現量は増加し、5代目と20代目において発現量に有意差を認めた。 RAW264.7細胞において老化とともにcGAS-STING経路の活性化を認め、SASPの誘導経路であることが考えらえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なく研究は進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
今後も同様に実験補助および大学院生と連携して研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度における実験においても新たな購入試薬があるため次年度使用額が生じている。免染のための抗体やELISAキットを購入し実験を進めていく予定である。
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