2023 Fiscal Year Annual Research Report
Biological function of osteoporotic drugs on bone-specific blood vessels and perivascular cells
Project/Area Number |
22K21006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
丸岡 春日 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (40962577)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 骨血管連関 / ビスホスホネート / 活性型ビタミンD / 骨特異的血管 / 血管周囲細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD31high/endomucinhigh骨特異的血管は、骨芽細胞系細胞との細胞間相互作用(骨血管連関)を有する可能性が報告されている。本研究では、骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、活性型ビタミンD3製剤)の血管や血管周囲細胞に対する作用、ならびに、これら薬剤が作用した血管・血管周囲細胞による骨芽細胞系細胞への影響についての検索を目的とした。 ALNを投与したマウスでは、溶媒投与マウスと比較して、endomucin陽性血管の数は変わらないものの、管腔径や面積の減少が認められた。また、ALN投与で血管壁の厚みが増し、血管内皮細胞が血管内腔に向かって多数の小胞や小突起を形成させており、ALNによる血管壁の微細構造変化が示唆された。一方、ALN投与マウスの骨組織では、血管壁の三次元的な管腔形態維持に関わるEndomucinやその転写因子であるGata2、血管新生抑制因子であるVash1の発現が上昇していた。以上のことから、ALN投与により血管新生が抑制される一方、血管の形態異常を修復しようとする機構が働いている可能性が推測された。 さらに、骨の細胞群への影響を検索したところ、溶媒投与マウスに比較して、ALN投与マウスでは、TRAP陽性破骨細胞が減少し、一部アポトーシス像を示すものの、破骨細胞は完全に消失していなかった。一方、ALP陽性/PHOSPHO1陽性骨芽細胞は、ALN投与で著明に減少していた。特に骨特異的血管への影響が大きい骨幹部では、ALP陽性/PHOSPHO1陽性骨芽細胞がほとんど認められなかった。このことから、ALN が、破骨細胞のみならずendomucin陽性骨特異的血管や骨芽細胞にも影響を与える可能性が推測された。 一方で、ビタミンD3製剤の実験系においては、骨の血管系に明らかな変化が認められなかったため、投与量や投与期間等を検討し、解析を進めていく予定である。
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