2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚発生におけるHippo-YAP/TAZシグナル伝達経路関連遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
22K21007
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
仁木 佑紀 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (10964819)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 歯胚発生 / Hippo-Yap/Tazシグナル伝達経路 / Tead1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Hippo-Yap/Tazシグナル伝達経路は、Tead/Tefファミリー転写因子を介して細胞増殖を調節することによって、様々な組織や器官の大きさを制御することが知られている。本シグナル制御機構の異常はがんの発症や悪性化のみならず、歯胚の発生異常を惹起することが最近報告され注目を集めており、申請者らはHippo-Yap/Tazシグナル伝達経路下流の転写因子Transcriptional enhanced associate domain family member 1 (Tead1)のマウス臼歯歯胚発生における発現様相に関す る報告を行なってきた。その機能に関しては未だ不明な点が多いため、歯胚の器官培養系においてTead1のノックダウンを行い、歯胚発生過程におけるTead1の機能を解明することが本研究の目的である。また、当分野の疫学研究では、母親の妊娠中の喫煙と子どもの永久歯欠損の発症の関連性を報告しており、本研究では、ニコチンや低酸素状態など環境の変化が歯胚発生に与える影響について、Hippo-Yap/Tazシグナル伝達経路関連遺伝子の発現等を中心に解析を行いたいと考えている。 研究期間全体を通じて環境要因との因果関係に関する検討を行なった。まず予備実験として低酸素環境の酸素濃度と作用時間を検討した。低酸素条件において歯胚の器官培養を行ったところ、結果として、低酸素環境下では歯胚のサイズが小さくなり、咬頭形成が抑制されることが示された。また、Hippo-Yap/Tazシグナル伝達経路関連遺伝子とは異なるが、歯胚発生過程におけるSuperoxide dismutases (SODs) の働きを示唆する結果が得られ、得られた結果は第82回日本矯正歯科学会学術大会にて報告を行なった。
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