2023 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular pathological analysis of periodontal tissue destruction caused by dental calculus via NLRP3 inflammasome
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22K21019
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前 めぐみ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (40967585)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 歯石 / NLRP3インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージを歯石で刺激すると、炎症に関係するタンパク質NLRP3インフラマソームの活性化を介して炎症性サイトカインIL-1β、IL-18が産生される。骨代謝に関して、IL-1βは破骨細胞形成に促進的に、IL-18は促進的または抑制的に作用することが知られている。しかしながら、歯石で誘導されるIL-1βおよびIL-18が歯周炎における歯槽骨吸収にどのような影響を及ぼすか明らかでない。 本研究では、ラット歯周炎モデルに人工歯石を投与し、歯石によるNLRP3インフラマソーム活性化が歯槽骨吸収にどのような影響を与えるか解明することを目的とした。 ラット(6匹)の上顎右側第二臼歯に絹糸を結紮し、その結紮糸に人工歯石としてハイドロキシアパタイト(HA)結晶を3%ヒドロキシプロピルメチルセルロースに懸濁して1日1回滴下し、HA(+)群とした。ラット(6匹)の上顎左側第二臼歯に絹糸を結紮し、その結紮糸に3%ヒドロキシプロピルメチルセルロースのみを1日1回滴下し、HA(-)群とした。各群のラットの上顎をマイクロ CTで撮影し、骨吸収量を経時的に比較した。1週間後および2週間後に屠殺し、硬組織標本およびマイクロ CTで骨吸収量を形態学的に解析した。さらに、組織学的解析ではTRAP染色により破骨細胞形成を観察した。HA(+)群、HA(-)群ともに歯槽骨吸収が観察されたが、HA(-)群と比較して、HA(+)群により大きな歯槽骨吸収がみられた。また、HA(-)群と比較してHA(+)群で、より多くの破骨細胞が観察された。 これらの結果は、人工歯石として滴下したハイドロキシアパタイト(HA)結晶が、歯槽骨吸収に促進的に作用したことを示していると考えられる。
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Research Products
(3 results)