2022 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌の菌体成分/分泌物が肺炎モデルマウスに及ぼす作用の検討
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22K21028
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
岡部 徹平 愛知学院大学, 歯学部, 歯学部研究員 (90964411)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / Streptococcus pneumoniae / 誤嚥性肺炎 / ジンジパイン / ロイペプチン |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病原細菌が血行性や経気道的に他臓器へ移行し異所性感染を誘発されることが知られている。特に歯周病原細菌が関与する肺炎はその発生頻度が高く、しばしば致命的な疾患となることが知られている。申請者は歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisの培養上清(PgSup)と細菌性肺炎の主な原因細菌であるStreptococcus pneumoniaeをマウスに混合感染することで肺炎が増悪させることを明らかにした。 P.gingivalisはリポポリサッカライド(LPS)、ジンジパイン、線毛などの病原因子を発現しており、これらの因子が宿主細胞を活性化し、炎症巣の形成に大きな役割を果たしている。しかし、S.pneumoniae感染症におけるP.gingivalisの菌体成分/分泌物による増悪機序は明らかになっていない。本研究では、歯周病原細菌の誤嚥性肺炎に与える影響の詳細な機序を解明し、歯周病原細菌をターゲットとした新規治療法の開発に繋げることを目的としている。 昨年度までにS.pneumoniaeとPgSupの混合感染に先立ち、ジンジパインの阻害因子(ロイペプチン)をマウスに気管からから直接投与し、コントロール群(各菌培養に用いるtrypticase Soy Broth(sTSB)投与群)と比較した生存率の検討、及び採取した肺構成細胞を用いた細胞毒性の検討を行ったが、影響を与えない投与量の確立に至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
肺構成細胞に影響を与えないロイペプチンの投与量の確立に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
生存率の検討に費やす時間を、細胞毒性への検討に用いることで投与量の確立を急務とする。 その後PgSup中に含まれる線毛量、LPS量の測定を行い、S.pneumoniaeと線毛、LPSおよびロイペプチンの混合感染による実験的肺炎モデルの検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として解析用パーソナルコンピュータの購入を先送りした為ことが挙げられる。 使用計画としては、これらの金額と次年度に請求する研究費を合わせ計画していた物品費を流用する予定である。
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