2022 Fiscal Year Research-status Report
新規細胞ビーズ法による歯髄幹細胞を用いた血管網内在末梢神経オルガノイドの構築
Project/Area Number |
22K21029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高岡 昇平 筑波大学, 附属病院, 医員 (30958567)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / オルガノイド / 末梢神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体により近い培養条件で、その巨大化、長期間維持のために血管内皮細胞と共培養させたオルガノイドの開発が近年進んでいる。本来シュワン細胞とニューロン、血管から構成されるはずの末梢神経のオルガノイド作製は極めて遅れている。 申請者はヒト歯髄幹細胞を独自の方法で神経誘導すると、ニューロンやシュワン細胞等が混在した神経系細胞が得られることを発見している。独自の培養技術である細胞ビーズを用いた灌流培養法により、シュワン細胞、ニューロンが混在した神経系細胞とともに血管内皮細胞を共培養することで、その相互作用にて血管網を内在した末梢神経オルガノイドを構築、評価することによって再生医療や創薬研究等に応用可能な実験モデル創出を目指すことを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞状態の調整により、歯髄幹細胞由来神経系細胞のsingle cell RNA-seqを未だ終了できていない。 マイクロ流路デバイスとして、PDMSプレートを用いた共培養システムを構築した。さらにシュワン細胞、ニューロンが混在した歯髄幹細胞由来神経系細胞とともに血管内皮細胞を、独自の細胞ビーズ法と灌流培養を組み合わせて共培養した。軸索伸長のためにフィーダー細胞として血管周皮細胞を播種することで、その他血管周囲に存在する細胞を用いた時と比較し、その軸索伸長速度が増加することが明らかになった。さらに作製したオルガノイドを免疫組織化学的評価にて、ほとんどの軸索周囲にシュワン細胞による髄鞘形成をみとめ、内部に血管内皮細胞により内腔面を覆われた管腔構造を保つ血管網を有することが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄幹細胞より分化誘導した神経系細胞の細胞組成をさらに詳細に解析する。さらに、作製したオルガノイドの電気生理学的評価を含めた機能解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
歯髄幹細胞より分化誘導して作製する神経系細胞において、その安定した細胞状態を得ることに時を要し、予定通りにsingle cell RNA-seqによる解析を終了できていない。本年度に昨年度予定分のsingle cell解析の予算を使用する予定である。
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