2022 Fiscal Year Research-status Report
炭酸アパタイトの骨置換制御機構解明による個別化骨補填材料創製のための基盤構築研究
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22K21043
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
張 暁旭 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (00965303)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント / 骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントを含むあらゆる欠損補綴治療において、歯槽骨の吸収は治療を妨げる大きな障壁であり、その改善には骨増生が必要となる。研究代表者は骨の無機成分と同じ炭酸アパタイトを主成分とした新しい骨補填材に着目して研究を行ってきた。炭酸アパタイトは生体非吸収性骨補填材と比較し、目的の骨幅まで骨形成可能なスペース確保後、自家骨と同様の骨置換過程を辿ることが示されている。 本研究は骨補填材が生体内でどのように吸収されているのかを経時的かつ多面的に解析し、自家骨やその他の骨補填材と比較するため、GBRを併用したインプラント埋入モデルの作成とインプラント周囲硬組織の各種解析を行う。 これまでに6週齢雌性Wistar系ラットを用いたインプラント埋入モデルの作成が完了し、骨欠損部位にGBR後もインプラントが脱落することなく、硬組織評価に値するサンプルを作製することができた。その後のマイクロCT解析にてインプラント界面での骨補填材の骨置換が確認でき、その結果、抜歯窩に骨補填材填入後、ラット用インプラントを埋入、その7日後では骨補填材の吸収が緩やかに開始していた。14日後では仮骨形成や骨補填材の骨置換開始されていたため、より長期的な観察が有効であると予測される。 現在、サンプル作製およびマイクロCTの解析と薄切切片製作を進行中である。 今後は、各種染色とその他の骨補填材や長期経過でのサンプル作製と解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではGBR併用インプラント即時埋入を想定し、インプラント埋入モデルを作成している。実験に使用するインプラントはラット用であり、当講座の過去の研究でも多く使用されており、生着率に問題はなかった。実験手技に関しても抜歯即時埋入は円滑に行うことができた。実験準備の段階で、骨補填材のサイズは人体を対象としたものであり、各種市販骨補填材をラット用に全群統一規格化することが必要で、ラットに最適化されたサイズを検討する必要があった。検討したサイズで改めて骨補填材を準備し、実験を開始したので序盤にやや遅れが生じたが大勢に影響はなくおおむね順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度に作成したインプラント埋入モデルは抜歯即時インプラント埋入後、炭酸アパタイトを填入したサンプルとβ-TCPを填入したサンプルで7日、14日後をマイクロCT解析している。得られた結果より、長期経過と他の骨補填材との比較検討が必要であるため、引き続きサンプル作製とマイクロCT解析を行い、脱灰標本を作製してインプラント周囲の硬軟組織評価を行う。 得られたデータを統合後、時系列で骨置換メカニズムに影響を与える分子が複数抽出されるため、これを骨置換制御分子の有力候補とし、より良い骨補填材創製のための足掛かりとして、炭酸アパタイト製骨補填材の骨組織置換機構の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
骨補填材の粒径サイズの見直しにより当初予定していたインプラント埋入モデルのサンプル作製に遅れが生じ、試薬等の購入を次年度に見送ったため。 次年度にはサンプル作製や各種解析、学会発表等に使用予定である。
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Research Products
(1 results)