2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K21044
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
内田 仁司 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (20736996)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 唾液腺 / 口腔乾燥症 / 放射線障害 / 加齢変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部腫瘍の患者において実施される放射線療法に伴う副作用の1つである唾液分泌低下症に対する新規の予防法と治療法を確立するための基盤研究を目的としている。若齢の野生型マウスと遺伝子改変マウスにおけるベースラインの唾液分泌量について測定、比較を行った結果、差を認めないことを確認した。今後は、同マウス群を用いて放射線依存性な唾液分泌量の変化と、予防群、治療群における唾液分泌量の変化を検証する予定である。 また、野生型と遺伝子改変型の加齢マウスにおいて、唾液腺の組織学的な検討を行った結果、遺伝子改変マウスの唾液腺では加齢変化である慢性炎症細胞の浸潤と脂肪組織置換が抑制されていることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外より帰国および着任に伴う日本国内での研究環境の立ち上げに時間を要した。また、世界情勢からマウスなどの輸入が常時と比較して遅延したため、必要な種類のマウスの確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度より、遺伝子改変マウスおよび野生型マウスに対する放射線照射を行い、経時的な唾液分泌量の変化と、新規の予防法および治療法にかかる化学物質の投与に伴う効果の測定を開始する。ベースラインの唾液を測定後、予防群(照射前より化学物質を投与)と治療群(照射後から投与)および対照群に分割し、放射線照射~短期影響および長期影響を検討する。検討項目として、唾液分泌に関与する受容体およびチャネル、細胞接着などの構造に関与する因子群、炎症関連因子や抗炎症因子の遺伝子発現の状態を比較、検討を行う。また、放射線照射に伴うDNA損傷の程度の比較を各実験群において行う。 加齢に伴う組織学的な変化を野生型と遺伝子改変マウスにおいて、各齢(3ヵ月齢、6ヵ月齢、1年齢、1.5年齢、2年齢)で比較し、組織の加齢変遷にかかる機構を検証する。これは、加齢に伴い唾液腺から分泌されると考えられるSASP(Senescence-associated Secretory Phenotype)によると想定している。そのため、各ステージにおけるマウスの唾液腺細胞の老化の度合いを検証し、また、組織に浸潤した細胞の同定をFACSを用いて行う予定である。
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Causes of Carryover |
世界情勢からマウスなどの輸入が常時と比較して遅延し、入手までに時間を要した。現在はマウスを手に入れることができたため、研究に必要なマウスの繁殖を行っている。また、2022年度に実施する予定であった研究(マウスの購入にかかる支払い、マウスの飼育、放射線照射および各種解析)は2023年度に後ろ倒しした。 実施項目としては、2022年度と2023年度の両計画を行う予定であり、「放射線照射」、「遺伝子発現解析(唾液分泌に関与する受容体およびチャネル、唾液腺構造にかかる因子群、炎症関連遺伝子)」および「各種試薬の購入」に充てる。また、学会発表や論文投稿にかかる費用も当初の計画通りに使用する予定である。
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