2022 Fiscal Year Research-status Report
オプトジェネティクスを用いた咀嚼ー唾液分泌機構の解明
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22K21047
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
梶原 里紗 昭和大学, 歯学部, 助教 (40963103)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Phox2b / パッチクランプ / 唾液分泌 / オプトジェネティクス / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
生後2-7日齢のラットにイソフルラン麻酔を行い、口腔底を切開し舌神経を剖出した。その後、ニューロン標識物質が注入されたガラス管を用いて、舌神経にニューロン標識物質を注入する。標識物質が脳に到達する期間を持った後に、脳幹スライス標本を作製し、舌神経を介して標識された上唾液核ニューロンからパッチクランプ記録を行った。予備実験で行った、Phox2b陽性ニューロンが豊富に存在する上唾液核周辺を、グルタミン酸のレーザー光解離を使った微小刺激法を用いるとやはり上唾液核ニューロンに応答がみられた。当実験を何回か行い、確かに上唾液核周辺を刺激すると、上唾液ニューロンに反応があったことを確認した。 さらに、Phox2b陽性ニューロンにVenusと光感受性タンパク質のChRFR(光照射でニューロンを興奮させる)が発現する遺伝子改変ラット(Phox2b-ChRFRラット)を用いて、同様に舌神経にニューロン標識物質を注入後、脳幹スライス標本を作製した。そして、上唾液核ニューロンからパッチクランプ記録を行い、Venusの発現を指標に、上唾液核を興奮させる上唾液核駆動Phox2bニューロンが存在するであろう範囲を、オプトジェネティクス(光遺伝学的手法)と二光子レーザー顕微鏡を利用して、Phox2b陽性ニューロンを一つ一つ刺激し、上唾液核ニューロンに応答が生じるか行ったところ反応があった。以上より、上唾液核駆動Phox2bニューロンの存在が確認できた。今後は、脳幹内の上唾液核駆動Phox2bニューロンの局在範囲を解析する必要があり、さらには上唾液核駆動Phox2bニューロンが見つかれば、そのニューロンからもパッチクランプ記録を行い、相互間で実際に刺激と反応が認められるかを解析する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験および、Phox2b陽性ニューロンにVenusと光感受性タンパク質のChRFR(光照射でニューロンを興奮させる)が発現する遺伝子改変ラット(Phox2b-ChRFRラット)を用いた実験により、上唾液核駆動Phox2bニューロンの存在が確認できたが、脳幹内にPhox2bニューロンが多数存在するため、上唾液核駆動Phox2bニューロンの局在性を解析するのが非常に困難である。また、1つのニューロンを特定するのに要する時間が長く、ニューロンの状態を最適に維持することが困難であったため、上唾液核ニューロンにパッチクランプをすることは可能であるが、相互する特定の上唾液核駆動Phox2bニューロンをまだ断定できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
①上唾液核駆動Phox2bニューロンの局在性を解析するのが非常に困難である →今まで使用していたレーザーの照射範囲をさらに狭い範囲に絞り、上唾液核駆動Phox2bニューロン局在性をより解析する。 ②1つのニューロンを特定するのに要する時間が長く、ニューロンの状態を最適に維持することが困難である →パッチクランプの技術の改善を図り、上唾液核ニューロンからパッチクランプ記録を短時間に行えるようにする。また、ニューロンの状態が維持できるように、細胞外液の調整や、レーザー照射の手順など実験方法を改善する。
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Causes of Carryover |
薬剤や機器を購入する予定であったが、実験形態が難しく新規実験に移行することが困難であった。現段階の実験では、データ処理を行うソフトウェアのみ購入が必要であったが、保持している薬剤や機器で対応できることが多く、新たに購入する必要がなかった。しかし、今年度の研究で新規実験を行える目途がたったため、来年度に機器の購入等を行う。
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[Journal Article] Intrinsic properties and synaptic connectivity of Phox2b-expressing neurons in rat rostral parvocellular reticular formation2022
Author(s)
Kajiwara R, Nakamura S, Ikeda K, Onimaru H, Yoshida A, Tsutsumi Y, Nakayama K, Mochizuki A, Dantsuji M, Nishmura A, Tachikawa S, Iijima T, Inoue T
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Journal Title
Neuroscience Research
Volume: 178
Pages: 41-51
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Physiological and morphological characterization of Phox2b-expressing neurons in the rat rostral parvocellular reticular formation2022
Author(s)
Kajiwara R, Nakamura S, Ikeda K, Onimaru H, Yoshida A, Tsutsumi Y, Nakayama K, Mochizuki A, Dantsuji M, Iijima T, Inoue T
Organizer
第99回 日本生理学会大会
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