2023 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御因子Mkxの歯科矯正学的な歯の移動における機能の解明
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22K21054
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮崎 貴行 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (60964971)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | Mkx / Mohawk homeobox / PDL / OTM / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜は歯科矯正学的な歯の移動に重要な役割を果たしているが、その分子メカニズムはいまだ不明である。我々はこれまでに、腱に特異的な転写因子である Mohawk homeobox(Mkx)が歯根膜に発現し、骨形成関連遺伝子を制御することで、歯根膜の石灰化を抑制し、歯根膜の恒常性に関与していることを報告してきた。さらにCRISPR / Cas9システムを用いて作製されたMkx 欠失ラットを用いた歯の移動実験によりMkxがRANKLや破骨細胞分化の誘導を介して、歯科矯正力を介した歯の移動におけるメカノセンサとして機能している可能性を世界に先駆けて報告してきたが、未だその分子メカニズムの詳細については不明な部分が多い。そこで、本研究では、Mkx欠失ラットに歯科矯正学的な歯の移動を行い、多様な細胞から構成される歯根膜の複雑性、組織に関わる遺伝子間の関係性を明らかにするため、シングルセル解析を行い、Mkxがメカニカルストレスによる骨改造に及ぼす作用を解明することを目的である。本年度は、野生型ラットを用いて、歯科矯正学的な歯の移動実験モデルの再検討と、野生型ラットから歯根膜細胞の採取、シングルセル解析にあたっての条件検討を行っていた。また、野生型ラットを用いて、歯科矯正学的な歯の移動を行い、Mkxと相互作用が予測されるシグナル伝達機構に関わる転写因子の歯根膜における発現を免疫組織化学的染色を行い解析をおこなった。しかしながら、当初の予定より条件検討に時間を要してしまった。
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