2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイレクトリプログラミング技術によるヒト線維芽細胞より唾液腺細胞の誘導法の確立
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22K21070
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
堅田 凌悟 昭和大学, 歯学部, 助教 (80965880)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、障害された唾液腺組織を再生する目的であり、昨今では生体外で作製した唾液腺細胞を障害唾液腺に移植する細胞治療の応用が期待されている。すでに申請者は、ダイレクトリプログラミング技術を応用することにより、マウスの線維芽細胞よりウイルスベクターを用いて、転写因子を線維芽細胞へ導入することで唾液腺細胞の作出に成功している。本研究では、より臨床応用への可能性を志向し、抜去した智歯からヒト線維芽細胞を初代培養にて増殖させ、線維芽細胞から同様な手法を用いて唾液腺細胞の作出に着手する。ヒト線維芽細胞より唾液腺細胞の誘導が可能となれば、これまで臨床応用の問題点としてあげられてきた移植細胞ソースの問題などを克服した、新たな再生治療として期待される 。 ヒト線維芽細胞の採取と唾液腺細胞の誘導(令和4年度) 当研究室では、胎生期マウス線維芽細胞から転写因子の導入により唾液腺細胞の誘導を可能にしたとの報告を行った(Katada R et al. BBRC 2021)。本研究では、抜歯した智歯に付着している歯肉組織から線維芽細胞を採取し、 その線維芽細胞をexplant cultureにより培養する。当研究室において確立したダイレクトリプログラミング技術 を用いて線維芽細胞に転写因子を導入することにより唾液腺細胞を誘導する。本年度は研究計画の立案および必要な薬剤の選定および倫理委員会へ提出する書類作成まで終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画における倫理委員会への書類作成および対象とする治療参加者の選定方法、培養方法の検討などはすで立案終了している。対象患者としては、昭和大学歯科病院歯科口腔外科で智歯抜歯が必要とされた患者10人をランダムに選定する。歯根膜組織を抜歯時に採取する。培養方法として検討したものとしては、歯根膜細胞のExpand cultureとして、付着している歯肉組織から線維芽細胞を採取するといった培養方法である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度R5年では、ヒト検体を用いて細胞培養から唾液腺細胞への作出を行う予定である。
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Causes of Carryover |
R4年度では、科研費の使用を行わなった。 R5年度では、関連する学会(日本口腔外科学会総会)が予定されているため旅費に使用予定である。 また唾液腺への誘導する際に使用する培地、培養皿や蛍光免疫染色における抗体など物品費にて使用予定である。 また研究データの解析のためのPCを物品費で購入予定である。
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