2023 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の根拠に基づく実践の継続のための組織学習活動促進プログラム構築の基礎研究
| Project/Area Number |
22K21079
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
|---|
Principal Investigator |
石井 馨子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 特任助教 (90936428)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
| Keywords | Evidence-based practice / 実装戦略 / 組織学習 / 組織開発 / 看護管理 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、病院が採用したEvidence-based practice(EBP）の継続的な実施につながると考えられる集団の組織学習活動（部署の学習活動）の先行要因を明らかにすることを目的とした。
最終年度は、前年度同様に部署ごとのフォーカスグループインタビューを実施した。対象部署は、全国200床以上の病院から、病院が採用したEBPを実施している部署とし、対象者は、対象部署で対象EBPの実装に関わった看護職や医師など医療職とした。インタビューで尋ねるEBPは、施設担当者と研究者が討議し、選定した。承諾を得た3病院6部署22名の医療職を対象に、グループインタビューを実施した。参加者には集団の組織学習活動測定尺度（Ishii et al., 2023）の8因子ごとに対象EBPに関する部署の学習活動の状況や促進/阻害要因、活動に必要な資源を尋ねた。研究全体の参加者は、5病院8部署30名だった。対象EBPは、ラピッドレスポンスチーム，アドバンス・ケア・プランニング，CDCガイドラインに基づく尿道カテーテル管理, 血管外漏防止ガイドラインの実践が選定された。部署内参加者は平均3.8名、職種は看護師長, 看護主任，専門看護師, 看護師, 医師, 薬剤師、年齢は平均41.7歳、現職種経験年数は平均12.7年、現部署勤務年数は平均4.7年だった。組織変革の7-S枠組み（Waterman et al., 1980）を軸に内容分析を実施し、要因を抽出した。部署の学習活動の要因として、【社会政治的背景と保健医療政策】【スタイル】【組織の共通価値観】【戦略】【技術】【スタッフ】【システム】【組織構造】の8カテゴリ45項目（心理的に安全な風土や医師のソフトスキル、看護管理者の戦略的思考等）が抽出された。
EBPを実践する各部署は、本研究の結果をもとに部署の状況を把握し、要因に対処できる可能性がある。
|
