2023 Fiscal Year Annual Research Report
地域支援提供体制の構築に向けた救急車利用者の多様な支援ニーズの解明
Project/Area Number |
22K21081
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 恵子 (奥村恵子) 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20617534)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 救急車利用者 / 軽症の救急車利用者 / セグメンテーション / 健康・心理・社会的ニーズ / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医学的緊急性が低く帰宅可能と判断される軽症の救急車利用者を対象として、個人の属性情報と救急車利用に関する情報に基づき、類似の特徴をもつ小集団に分類し、小集団ごとの健康・心理・社会的ニーズを特定することを目的としている。具体的には、①マーケティング分野のセグメンテーション理論を活用し、救急要請・搬送記録データを用いてクラスタリング手法により軽症の救急車利用者を小集団(セグメント)に類型化する、②救急医療関係者を対象にインタビュー調査を実施し、軽症の救急車利用者の各セグメントの健康・心理・社会的ニーズの抽出を行う。 2022~2023年度は、上記の研究①を実施した。2016~2020年の5年間に東広島市消防局で救急搬送された成人約14,000名のうち、軽症の成人救急車利用者である5,982名を対象とした。年齢、性別、発生場所、事故種別、同乗者、救急隊員が判断する緊急度などの項目を用いて、確率的潜在意味解析( Probabilistic Latent Semantic Analysis: PLSA)により成人の軽症救急車利用者を小集団に類型化した。本研究結果を2023年4月にフィリピンで開催された第12回アジア救急医学会総会で報告した。また、本研究成果は救急医学の国際誌(Acute Medicine&Surgery)に掲載された。 2023年度は、研究①の結果をもとに救急医療関係者に軽症の救急車利用者の各セグメントの健康・心理・社会的ニーズについてインタビュー調査を実施した。その結果、心理・社会的ニーズが高いと考えられるセグメントが明らかになった。一方、病院前データの項目からなるセグメントからこれらのニーズを抽出するのはやや困難であることも判明した。医療機関のデータも使用してセグメントを作成し、ニーズを抽出する必要性があることが今後の課題として挙がった。
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