2022 Fiscal Year Research-status Report
Construction of school life support model incorporating genetic knowledge for children with rare chromosomal disease
Project/Area Number |
22K21085
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
沓脱 小枝子 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50513785)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 染色体異常 / 遺伝看護 / 希少疾患 / 難病 / 就学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、染色体構造異常症である4疾患(1q部分重複症候群、5p-症候群、Jacobsen症候群、Prader-Willi症候群)に焦点を当て、疾患をもつ児におけるその子らしさを尊重した学校生活実現のための医療・教育・家庭の連携等について、モデルプランを構築することを目的としている。 現在、学童期の染色体構造異常をもつ児と家族が直面する学校生活上の問題とその対処方法に関する国内外の文献レビューを行っている。国内の論文を医学中央雑誌、CiNiiから検索し、英語論文をPubMed、Scopusを用いて検索した。その結果、医学中央雑誌、CiNiiで0件、PubMedで22件、Scopusで32件の文献が抽出された。現在は各文献を精読し、レビュー対象として含めるものを選定している段階である。さらに、選定した文献の引用文献を確認し、条件を満たす文献を追加する予定である。本レビューを通して、学童期にある染色体構造異常をもつ児と家族が直面する学校生活上の問題とその対処方法に関する既存文献上の概観を示し、今後の患者家族、学校看護師および教諭を対象とした調査の内容を検討するための資料とする予定である。 今後患児家族を対象とした調査、特別支援学校に勤務する学校看護師、教諭を対象とした調査を予定しており、所属機関での倫理審査申請の準備を進めている段階である。 患児家族を対象とした調査では、児の学校生活に向け、家族が学校側にわが子のどのような情報を伝えているか、実態を調査する。特別支援学校に勤務する学校看護師、教諭を対象とした調査では、児との関わりからその状態をどう把握し、家庭から子どもに関するどのような情報を得ているか、実態を明らかにすることを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
患者家族を対象とした調査、特別支援学校に勤務する学校看護師・教諭を対象とした調査を実施する前段階として、当初予定していなかった学童期の染色体構造異常をもつ児と家族が直面する学校生活上の問題、問題の関連要因、問題への対処方法に関する国内外の文献レビューを実施するように予定を変更したことが理由にある。 しかし、本レビューを実施することにより、染色体構造異常のある児や家族が直面する学校生活上の問題に関して、その全体を俯瞰した上で調査を実施することが可能になると考えており、本プロジェクトにおいて必要なプロセスであると考えている。 調査で得られた結果から、1q部分重複症候群、5p-症候群、Jacobsen症候群、Prader-Willi症候群の各疾患毎に「学校生活マネジメントノート」を作成し、web掲載する予定である。そのためのWebページの整備についても、2022年度中に着手することができなかったが、今後調査と並行して進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実施している、学童期の染色体構造異常をもつ児と家族が直面する学校生活上の問題とその対処方法に関する国内外の文献レビューに関しては、本年8月までに実施し、原稿をまとめ、学会誌に投稿予定である。 患者家族を対象とした調査、および特別支援学校に勤務する学校看護師および教諭を対象とした調査に関して、現在倫理審査申請の準備を進めている、6~7月にかけて倫理審査申請を行い、2023年度の8~10月頃に調査を実施する予定である。患児家族については家族会を通して依頼し、郵送法による質問紙調査を実施する。学校看護師および教諭を対象とした調査については、20名程度を目標に面接調査を実施予定である。11~12月に各調査内容の分析、疾患(1q部分重複症候群、5p-症候群、Jacobsen症候群、Prader-Willi症候群)毎の「学校生活マネジメントノート」を作成する。各調査の成果は論文にまとめ、今年度中に投稿する予定である。 さらにWebページの整備を進め、本プロジェクトの成果として作成する「学校生活マネジメントノート」の内容をWeb掲載する。Webページは、本プロジェクト終了後も継続的に情報発信をしたり、患児家族と交流がもてるものとして整備していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していなかった、染色体構造異常症のある児の学校生活上での問題やその対処方法に関する文献レビューを実施し、患児家族や学校看護師・教諭を対象とした調査に着手するのが遅れた。そのため、2022年度は調査のための交通費や通信費等の支出がなかった。現在調査のための倫理審査申請の準備を行っており、これについては今後支出が見込まれる。 また、本プロジェクトの成果として「学校生活マネジメントノート」を作成し、Web掲載する予定であるが、そのためのWebページの整備も2022年度中に実施することができなかった。今後、調査と並行してWebページの整備を行うため、これについても支出が見込まれる。 さらに、現在実施している文献レビューおよび、今後実施する患児家族を対象とした調査、学校看護師・教諭を対象とした調査の結果は、それぞれ学術大会と学会誌において成果報告する予定である。そのための学会参加旅費および論文投稿料の支出が見込まれる。
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Research Products
(1 results)